宝くじに当たった人のその後|幸せになれない人の共通点と、お金の『あり方』

宝くじで高額当選しても、お金持ちにも幸せにもなれない人が少なくありません。これは国内外の実例からもよく指摘されているところです。「宝くじに当たった人の”末路”」がしばしば語られるように、大金がかえって不幸を呼び込んでしまうケースは、決して珍しくないのです。
当たっても幸せになれない人には、「お金の使い道を先に持っていない」「大金を扱う心の器がまだ育っていない」という共通点があります。
この記事では、宝くじに当たった人がかえって不幸になりやすい理由を、「なぜ私たちは幸せをお金の“額”で測ってしまうのか」という心の仕組みから紐解きながら、同じ大金を手にしても満たされる人と満たされない人を分ける『あり方』までお伝えします。(当選金そのものは非課税で、家族に分けたときだけ贈与税がかかります。その点だけ後半で簡潔にふれます)
なお、そもそも宝くじを「買う」べきか——という手前の話は、宝くじを買ってはいけない本当の理由にまとめています。この記事は「当たった後」のお話しになります。
宝くじに当たった人の末路|なぜ不幸になりやすいのか
念願叶って宝くじに当たった!としても、夢は手に入ります。でも、お金持ちにも幸せにもなれないまま終わってしまう人が少なくないのも事実です。もちろん、堅実にお金を使って豊かになる当選者もいます。その分かれ目こそが、この記事のテーマでもある「お金との向き合い方」なのです。
では、どうして大金を手にしたのにお金持ちにも幸せにもなれない人が多いのでしょうか?
そこには人間の心の仕組みに答えがあります。
人間にはできるだけ現状を維持しようとするメカニズムが心の仕組みとして生まれながらにして備わっています。そのメカニズムに深く関係しているのが心の領域として知られる潜在意識と呼ばれる部分になります。
潜在意識にはホメオスタシス(恒常性維持機能)という機能があって、これは、寝ている間に呼吸をするのと同じように、無意識に今の状態を維持しようとするもので、これは人類が長い進化の過程で生き残るために獲得してきた非常に重要な能力のひとつなのです。
そして、実はこのホメオスタシスこそが宝くじに当たってもお金持ちにも幸せにもなれない原因なのです。
ある程度自由に使えるお金を持っているのが当たり前のお金持ちの人が大金を手にしたとしても、お金を持っている状態を無意識に維持することができるのに対して、お金に余裕がなく、お金持ちでない状態の人が、仮に宝くじで1等に当選して7億円もの大金を手にしたとしても、無意識にお金を持っていない状態を維持してしまうのです。
よくある典型的なパターンは、お金持ちでない人が手に余る大金を手にしても、そもそもその大金を使いこなす能力が身についていないために、無意識のうちに、これまでの生活習慣のなかで染みついた消費行動をとってしまい、大半は、お金を無くしてお金に余裕のない元の状態に戻ってしまう、というものです。
実際、先ほどの当せん金の使い道でも出てきたように、ほとんどの人は貯金をしたり、家を買ったり、車を買ったり、海外旅行へ行ったり、ローンを返済したりといった、現状を維持するか、お金を減らす消費行動しか選択することができておらず、お金持ちの人が選ぶ傾向がある自己投資や、資産運用、ビジネスといった、お金を維持するのはもちろん、さらに増える可能性のある行動を選択することができないのです。
しかも一度大金を手にして一時的に生活レベルを上げてしまうと、それを下げることは非常に困難で、減っていく一方の口座残高を眺めながら、不安や恐れを感じつつ、お金目当ての人からのアプローチにうんざりして人間不信に陥りやすいのです。
宝くじで何百万円、何千万円、何億円、何十億円、さらには何百億円当たろうとも、お金を上手く使う知識や力がないままに、大金だけを手にしてしまうと、むしろ不幸な人生を引き寄せてしまうだけなのです。
実際、宝くじの高額当選者の不幸な実例は日本でも海外でも満載で、海外では「高額当選者の多くが、数年のうちにその大金を失ってしまう」とも言われているほか、世界中の事例を見ても、精神崩壊、自殺未遂、離婚、時には殺人にまで至るケースもあり、大金を扱えるだけの心の準備とお金に対する知識がない人はむしろ大金を手にしない方が幸せな人生を送れる可能性が高いのです。

高額当選者が「幸せになれない人」に共通する落とし穴(使い道・話す相手・運用方法)
ある意味、ここが一番の重要ポイントだったりもするのですが、まず大前提として、1000万円以上の高額当選をした場合には、当せん金を受け取ることよりも、そのお金をどうするのか?のほうが圧倒的に重要になってきます。
なぜなら、お金は稼ぐよりも、貯めるよりも、増やすよりも、上手に使うことのほうが圧倒的に難しいからです。
実際、日本を代表する経営者・松下幸之助の金銭哲学のなかで、パナソニックの創業者・松下幸之助さんも
「お金を儲けるのと使うのはどちらがむずかしいですか」と問われて、「それは使うほうがむずかしい。儲けるほうが楽ですわ。使ったら必ず効果がないとあかんやろ。効果のある使い方というのはむずかしいでっせ。だから、お金を儲けることよりも使うほうがむずかしい。3倍はむずかしいな」
と述べているくらいなのです。
幸運にも(不幸にも?)高額当選してしまった人の多くは、そのことに気づくことなく、なんとなくお金を使ってしまうことで、お金を浪費してしまい最後は破産したり、詐欺のターゲットになって巻き込まれたり、おこぼれを貰おうとして近づいてくる様々な人間とトラブルになって、多くのケースにおいて当選前よりも当選後のほうが不幸になってしまっているのが現実です。
でも、これはある意味で当然と言えば当然なのです。なぜなら、お金というのはその人の心の器の大きさによって扱える量が決まっているからです。
日頃から億単位のお金を扱っている、心の器の大きな経営者などでない限り、一般庶民では元々そんな大金を上手く扱えるはずがないのです。
だからこそ、お金の使い方でトラブルになる可能性が高いことを見越して、「【その日】から読む本 突然の幸運に戸惑わないために」という題名の高額当選者だけが受け取る非売品の教育用冊子が用意されているほどなのです。
その内容はwikipediaによると以下の通りとなっていて、いかに冷静になって、落ち着いて、自分の心と大金と向き合うことができるかどうかが不幸になるかならないかの分岐点になっている様子が透けて見えます。
- 第一部「今すぐやっておきたいこと、やってはいけないこと」
- 1. 受け取った当せん金は、とりあえず安全な場所へ
- 2. これからのスケジュールを思い描いてみよう
- 3. ちょっと待て、落ち着いてからでも遅くない
- 第二部「落ち着いてから考えること」
- 1. 当せん者にしかわからない悩み、知っておこう
- 2. だれに当せんしたことを知らせる(知らせた)か
- 3. だれにお金を分与するか
- 4. お金の使いみちを考えよう
- 5. 当せんして何が変わるか
- 第三部「当面の使いみちが決まったら考えること」
- 1. 残ったお金をどうするか
- 2. 将来の目的に合わせて、お金を考える
- 3. 運用をはじめる前にチェックしておくこと
ここから見えてくるのは、高額当選しても不幸にならないためには
(1)使い道をあらかじめ決めておくこと
(2)高額当選した場合に誰に話をするのか(もしくはしないのか)を決めて、それを必ず守ること
(3)使わない(使えない)お金の運用方法をあらかじめ決めておくこと
が必須であることが分かります。
そう考えてくると、高額当選しても不幸にならないためには、高額当選する前にかなり細かいことまで想定して考えておく必要があって、何も考えないでいると、いざという時に不幸になってしまいやすいということなのです。
そうした現実を目の当たりにすると、むしろ当たらない方がお金の運用方法なんて面倒くさいことを考えなくていいという人も実際には多いのかも知れませんね。

お金と幸せの両方を引き寄せる、お金の『あり方』
ところで実は私も”宝くじ”を買って持っています。ただし、私の場合は外れたほうが嬉しいほうの”宝くじ”ですが。その外れたほうが嬉しい宝くじの名を「生命保険」と言います。掛け金が月々数千円で、万一交通事故や病気で死亡したら数千万円のお金が貰える”宝くじ”です。
ただ、この「生命保険」という名の”宝くじ”が通常の宝くじと違うのは外れたほうが嬉しいという点です。事故で死ななかった、病気で死ななかった(外れた)ほうが嬉しいので、”逆宝くじ”と呼ぶこともありますが、一般的な宝くじのように、少額の賭け金(毎月の保険料)で高額の当せん金(死亡保障金)が手に入る可能性があるので仕組みとしては全く同じものになります。
宝くじが外れたり、保険料を払ったのに事故にもあわず病気にもならず死ななかったら、少しだけお金は減りますが、でも、損失は限定的です。その一方で、まさかの1等当選に遭遇したり、事故に遭ったり病気になって死亡したりすると、賭け金とは比較にならないほどの高額のお金が手に入るのです。
こうした損失は小さく、当たった時の利益は大きいという宝くじの性質を『非対称性』と言いますが、そうした性質があるからこそ、非合理的だと分かっていても、多くの人は宝くじを買い、私のように生命保険に入るのです。
ここでお金を考えるうえで極めて重要なことがあります。
それは、人間は大金を得るだけで幸せになれるようには出来ていない、ということです。
お金があればあるだけ幸せになれる。お金がない時ほどそう思いがちです。お金さえあれば・・・と一攫千金を夢見る人が多いのもお金の量と幸福感が比例しているように感じることも大きいのではないでしょうか?
ところが、様々な研究結果からお金があるほど幸福になるとは言えないということが分かっています。
米国プリンストン大学のカーネマン教授らは、かつて「年収約7万5000ドルを超えると、感情的な幸福度は頭打ちになる」と発表しました(カーネマン=ディートン、2010年)。長らく定説とされてきましたが、この結論は近年の研究で塗り替えられます。
カーネマン教授自身も加わった2023年の共同研究では、多くの人は収入が増えるほど幸福度も上がり続ける一方、もともと不安や生きづらさを抱えた一部の人だけが、ある水準(年収約10万ドル=約1,500万円)で頭打ちになると分かってきました(出典:米プリンストン大学・ペンシルベニア大学 Killingsworth=Kahneman=Mellers 2023年共同研究/Penn Today)。
ここから見えてくるのは、幸せを左右するのは、お金の額そのものよりも、それを受け取る人の『あり方』や心の状態のほうだ、ということ。同じ大金を手にしても、満たされる人と満たされない人に分かれるのは、まさにここに理由があるのです。
では、どうすればいいのか?と言えば、生き方の基準、価値観をお金だけにしないことに尽きます。確かに生活の満足度を高めるにはお金は絶対に必要です。でも、お金だけでは幸せな人生が手に入らないのもまた事実なのです。
そのためにも、もし宝くじを買うのであれば、何のために宝くじを買うのか?夢を買っているつもりなら、その夢って一体何なのか?貯蓄すること、家や車を買うことが本当に自分にとって幸せなのか?をとことん考えることです。
合理的に考えると宝くじを買うのはNGです。でも夢のために宝くじを買うのであれば(かなり不利な闘いですが)OKだとも言えます。
結局のところ一体どちらが正しいの?賢いの?という議論もよく見かけるのですが、私の結論としてはその議論そのものが不毛で無意味だと考えています。なぜならどうなることが幸せなのか?は人それぞれ違うからです。
私は、使い道のない大金を手にすることよりも、実現したい未来が先にあって、そのためにお金を求めるのが幸せな人生だと考えています。そして、お金の使い道も、自分の欲望を満たすためだけに使うのではなく、誰かに喜んで貰うために使ったり、誰かの活動を応援するために使える人がより幸せになれるように感じるのです。
なぜなら人生の充実感や幸福感は1人ぼっちでは決して実感することができないからです。常に自分以外の他者との関係性があり、その関係が良好な時にしか、人生の充実感や幸福感を感じることができないのが人間という生き物なのですから。
そう考えると、大金が手に入る前からお金の使い道が明確になっている人であって、しかも、それが自分のためだけではなく、他の人の活動を応援したり、多くの人に喜んで貰えるようなお金の使い方のできる人であれば、宝くじに当たっても上手にお金を使うことができるので、幸せでいられる可能性が極めて高いと言えます。
逆に、そもそも欲しいモノが漠然としていて、なんとなく将来の不安から貯蓄して、とりあえず家を買って、車を買い替えて、海外旅行に行って、くらいしかお金の使い道が頭に思い浮かばない人というのは、むしろ宝くじに当たらないほうが幸せでいられる可能性が極めて高いと言えるのです。
結局のところ、お金と幸せの両方を引き寄せられるかどうかを左右する重要な要素というのは、手にしたお金の量にあるのではなくて、お金の使い道を事前に持っているかどうかにあります。
手にしたお金をその人たちのために使いたいと本気で思うことのできる、自分以外の誰かの存在があって、そうした人たちとの良好な人間関係を築けているかどうかが、宝くじで高額当選したとしても、人生を狂わせることなく、より経済的に豊かに、かつ、より幸せになれる人なのです。
言い換えれば、お金には信用から生まれる土台の『冷たいお金』と、信頼から生まれる『温かいお金』=『信頼残高』の2種類があり、その両輪を育てられるかどうかは、日頃から自分の『あり方』を調えているかどうかで決まります。お金は、自分の『あり方』を映す鏡。だからこそ、大金そのものではなく、それを受け取る自分の『あり方』のほうを、先に調えておくことが何より大切なのです。

いまの自分がお金と幸せにどんな『あり方』で向き合っているのか。それを性格診断ではなく、今この瞬間の状態として映してくれるのが、私のご用意しているお金モテ冒険者タイプ診断(8タイプ)です。宝くじに頼りたくなる心の奥をのぞく手がかりとして、よければ一度試してみてください。
きっと、今まで気づいていなかった新しい発見があると思いますので。
あわせて読みたい
〔実務〕宝くじに当たったら?受け取り方法と受取期限(1年)
当せん金の受け取り方法については、
(1)1万円以下の場合・・・宝くじ売り場もしくは、みずほ銀行をはじめとした全国の受託銀行等の窓口
(2)1万円を超える場合・・・みずほ銀行をはじめとした全国の受託銀行等の窓口のみ
となっています。
受取期限は支払開始日から1年間以内となっていますので忘れないようにしましょう。
〔補足〕宝くじの税金は?非課税でも贈与税に注意
当せん金付証票法(宝くじ法)により、当せん金には所得税も住民税もかかりません(第13条)。宝くじは購入した時点で購入額の半分以上が実質的に税として回収される仕組みなので、受け取り時は非課税というわけです。
ただし1点だけ。非課税なのは「自分が当選して自分が受け取る」場合だけ。当せん金で家族名義の家や車を買ってあげるなど、誰かに分けると贈与税の対象になりますのでご注意を(非課税枠は1人年間110万円。詳しくは国税庁「贈与税がかかる場合」)。
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