先に結論を。お金への執着は、手放すほどお金は循環する。

お金への執着とは、「足りない」という欠乏感や不安を、お金を握りしめることで埋めようとする心理的状態です。ですが不思議なもので、握りしめるほど、お金も人も離れていきます。逆に、その手をゆるめて執着を手放すほど、入ってくるための『余白』が生まれ、お金は循環しはじめます。とはいえ、我慢や気合で手放すものではありません。やることは、大きく3つです(本文では、この3つを『5つのステップ』に分けて詳しくお伝えします)。①執着の正体(お金という虚構の、”数字”の面ばかりを握りしめている状態)を知る → ②「稼ぎたかったのではなく、本当は安心したかっただけ」と自分を受け止める(=『自己受容』)→ ③小さな『循環』を1つ試す。この3つで握っていた手が緩むほど、お金は自然と巡ってくるようになります。以下、その理由と、今日からできるやり方を順にお伝えします。

お金が”あぶく銭”のように消えていく——その正体は、金額ではないのかもしれません

収入は決して低くないはずなのに、なぜかお金が手元に残らない。大きな買い物をした覚えもないのに、”あぶく銭”のように指の間からこぼれ落ちていく。積み上げているはずなのに、豊かさの手応えはむしろ小さくなっていく。もし、そんな感覚に少しでも心当たりがあるとしたら、きっとこの記事がお役に立てると思います。

「もっと稼がなきゃ」「もっと学ばなきゃ」。良さそうな話を前にすると、つい手が伸びてしまう。でも、その一つひとつは、本当にあなたが心から望んだものでしょうか?それとも、「置いていかれたくない」という焦りが選ばせたもの、だったりしないでしょうか?

今日お伝えしたいのは、お金の”消え方”を決めているのは金額の多い少ないではなく、その奥にあるあなたの『あり方』、言い換えるなら、お金との向き合い方のほうかもしれませんよ、というお話です。そしてその鍵は、『そもそもお金とは何か』という問いのなかに隠れています。

お金に執着する人の特徴|あなたの執着度チェック

ここで、お金への執着度がわかる簡単な心理テスト(自己診断)をしてみましょう。次のうち、当てはまるものは、いくつあるでしょうか?

  • 銀行口座やカードの残高を、1日に何度も確認してしまう
  • 収入は低くないはずなのに、「まだ足りない」という感覚が消えない
  • 「買っておかないと取り残される」と焦って財布を開くことがある
  • お金が減ることを考えると、理由もなく不安や恐怖が湧いてくる
  • 「もう少し稼げば・貯めれば安心できる」と思い続けている
  • 人に対してお金を使うとき、どこかで損をした気持ちになる

3つ以上当てはまるなら、あなたが本当に追いかけているのは”数字”ではなく、「安心したい自分」なのかもしれません。だとしても、あなたのせいではありません。その理由を、お金の正体から順に紐解いていきましょう。

お金に執着する人の特徴——数字ではなく、不安のかたち

先ほどのチェックで当てはまるものがあったとしても、ご自分を責める必要はありません。お金に執着してしまう人の特徴は、性格の問題ではなく、その多くが同じ”不安”から生まれています。いずれのサインも”数字”を握りしめて安心を得ようとしている状態で、握るほどに、お金は『信頼残高』を増やす温かい側からは遠ざかってしまいます。

どの特徴にも共通しているのは、お金そのものへの執着というよりも、その奥にある「安心したい」という気持ちのほうです。だとすれば、変えたほうがいいのは”稼ぐ力”や”貯める量”ではなくて、その不安な感情とのつきあい方、言い換えるなら『あり方』のほうだということになります。

お金の”消え方”を決めているのは、金額ではなく『あり方』のほう

同じ1万円を払うのでも、心が感じる温度は、人によって、場面によってまるで違います。

「この人に喜んでほしい」「この学びが本当に楽しみだ」という「やりたい」から差し出す1万円と、「これを買っておかないと取り残される」「みんながやっているから」といった”やらなきゃ”から差し出す1万円。金額はまったく同じでも、前者はあなたのなかに手応えを残し、後者はどこか焦りだけを残して、出ていってしまいがちです。

誤解のないように補足すると、”やらなきゃ”に手が伸びてしまうのは、あなたの意志が弱いから、ではありません。情報も選択肢も増えつづける一方の時代にあって、目の前を通り過ぎる「やった方がよさそうな話」に反応してしまうのは、ごく自然な人間の反応です。

ただ、その結果として、いくらお金が入ってきてもすぐに出ていってしまうということが、誰にでも起こり得るのです。金額の多寡ではなく、お金を支払ったときの心の奥にある『あり方』——お金との向き合い方——が、そのまま、お金の”消え方”に映し出されているのです。

お金に執着する人の末路——握りしめるほど、お金も人も離れていく

お金への執着は、放っておくと暮らしのあちこちに”冷たさ”を広げていきます。これまでご相談を受けてきたなかでは、こんな形で表れることが多いと言えます。

■ 人間関係……人を「収入や資産の数字」で無意識に値踏みするようになり、自分よりも稼ぐ人や資産を持っている人を持ち上げる一方で、そうでない人には上から目線になったり、人によって態度が変わる。気づけば、損得だけでつながる関係に囲まれていきます。

■ 仕事……「好きかどうか」より「お金になるかどうか」で選ぶ癖がつき、収入はあるのに”何のためにやっているのか”を見失っていく。お金は十分あるのに満たされない、という状態です。

■ 投資・お金づかい……「もっと増やさなきゃ」という焦りから、よくわからない、理解できていないものにまで手を出してしまう。増やすつもりが、かえって大きく減らしてしまうこともよく起こります。

■ 健康……「これくらいで病院に行くのはもったいない」と、自分の身体にかけるお金を後回しにしてしまう。数千円を惜しんだ結果、あとから何十倍もの治療費と時間を払うことになる。お金を守ったつもりが、最も取り返しのつかないものを削っていた、ということが起こります。

■ 家族……子どもは、親の言葉より『あり方』のほうを受け取ります。食卓でお金の話をするたびに眉間にしわが寄っていれば、その緊張がそのまま伝わる。「お金は不安なもの」という感覚を、気づかないうちに次の世代へ手渡してしまうことがあるのです。

実は、これは過去の私自身の姿でもあります。「稼げるようになりたい、だから稼ぎ方を身につけよう」という全自動の思考に突き動かされて、株やFXに心を奪われていた時期がありました。数字が増えれば認められる——そう信じて”数字”ばかりを握りしめていた頃は、お金の冷たい面が、そのまま私の現実に映し出されていたのです。

そこから抜け出せたのは、稼ぎ方をさらに学んだからではありません。握りしめていた手を緩め、自分の『あり方』を根本から立て直したからでした。この記事でお伝えしたいのは、まさにその緩め方のお話です。

あなたのお金は、握りしめる側?それとも手放せる側?

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比較が欠乏感を大きくする——SNSの時代の”足りなさ”

もうひとつ、いまの時代ならではの理由にも触れておきたいのです。それは、「他人との比較」が、執着をひときわ強めているということ。

スマホを開けば、誰かの高級な食事、誰かの旅行、誰かの成功報告が、途切れなく流れてきます。本来なら出会うはずのなかった「上」ばかりが目に入りつづける環境で、私たちの心は、いつのまにか「自分には足りない」と感じるように仕向けられていきます。行動経済学では、こうした「足りない」という感覚(=欠乏/scarcity)が視野を狭め、目先のお金を追いかけてしまうことが知られています。欠乏に追われるほどに、人は”数字”に執着してしまうのです。

ですが、そもそもその比較は、あなたが望んだものなのでしょうか?誰かの一場面と、自分の暮らしを比べても、本当の意味での勝ち負けはつきません。ときにはスマホを置いて、比較の土俵から降りてみることが大切です。「見知らぬ誰か」ではなくて「昨日の自分」と比べてみるほうが精神的にも健全で、結果として、欠乏に煽られていた執着が自然と緩んでいくケースが多いですのでオススメです。

お金の執着を手放す5ステップ

やることは、我慢でも気合でもありません。次の順番で、少しずつ執着を手放していくことができます。

  • 気づく……ギュッと握りしめているのは”数字”であって、本当はその奥の「安心したい気持ち」だと知る。
  • 受け止める……「稼ぎたかったのではなく、安心したかっただけ」と自分を責めずに認める(=『自己受容』)。
  • 分ける……その支払いは「やりたい」からか、”やらなきゃ”からか(=『信頼』を育てる温かい使い方か、”数字”を守る冷たい使い方か)を、いったん仕分けしてみる。
  • 小さく使ってみる……「この人に喜んでほしい」から差し出す小さな『循環』を1つだけ試してみる。
  • 見返りを数えない……返ってくるかを勘定せずに、差し出した心地よさのほうに目を向けてみる。

それぞれのやり方は、記事後半でひとつずつ詳しくお伝えします。

お金に執着しない人の特徴——”数字”ではなく『信頼』のほうを見ている

ここまで「執着してしまう側」を見てきましたので、いったん反対側にも目を向けてみましょう。お金に執着しない人は、特別に無欲なわけでも、お金に困った経験がないわけでもありません。違っているのは、お金のどちらの面を見ているのか。ただ、それだけなのです。

■ 残高を見るとき……執着する人は”数字”が増えたか減ったかで、その日の安心が決まります。執着しない人は、数字を確認はしても、自分の心の状態に悪影響を与えるようなことはしません。

■ 人のためにお金を使うとき……執着する人は、どこかで「損をした」という感覚が残ります。執着しない人は、差し出したことで生まれた『信頼』のほうを受け取っています。

■ お金が減ったとき……執着する人は、減った事実そのものに不安が湧きます。執着しない人は、「お金が何に変わったのか」を見ています。同じ1万円でも、消えたのではなく形が変わっただけ、と捉えられるのです。

■ ものさしの数……執着する人は、お金という1本のものさしで自分を測ります。執着しない人は、健康・つながり・学びといった複数のものさしを持っているので、お金の増減で自己評価が大きく揺れることがありません。

こうして並べてみると、両者を分けているのは意志の強さでも、稼ぐ力でもないことがみえてきます。お金の”数字”の面を握りしめているのか、その向こう側にある可能性や人と信頼関係などの面を見ているのか、という『あり方』の違いなのです。

大切なのは、執着しない人が、最初からそうだったわけではないということ。私自身、株やFXで1000万円を超える額を溶かしていた頃は、間違いなく数字だけを見て握りしめている側にいました。そこから抜け出せたのは、稼ぎ方を学び直したからではなく、「安心したかっただけなんだ」と自分を受け止められるようになったからこそ。つまりこの2つは、生まれつきの性格ではなく、いつでも変えていける『あり方』の違いなのです。

ハラリが暴いたお金の真実〜お金はサピエンスの『認知革命』が生んだ最大の虚構である

ここからは、お金そのものの正体についてお話したいと思います。ユヴァル・ノア・ハラリの世界的なベストセラー『サピエンス全史』(河出書房新社)を読まれたことのある方は、あの一節を覚えていらっしゃるかもしれません。

ハラリは、いまから約7万年前に起きた『認知革命』こそが、私たちホモ・サピエンスの優位性に大きく貢献した出来事だったと語っています。それまでの人類は、脳の大きさこそ現代人と変わらなかったものの、他の人類種を大きく引き離すような際立った歩みは、まだ見せていませんでした。

ところが、あるとき私たちの祖先は、目にみえないものを「みんなで信じる」能力を手にしたと言われています。神話、宗教、部族、国家、そして——お金。実体としてはどこにも存在しないのに、みんなが「これには価値がある」と信じることで、初めて力を持つもの。ハラリはそれらをまとめて『虚構』と呼びました。

この能力が、なぜそれほど決定的だったのか。ハラリによれば、噂話だけでまとまっていられる集団の上限は、およそ150人ほどだといいます(人類学で「ダンバー数」として知られる数字です)。顔と名前が一致し、うわさ話ができる範囲——それ以上は、群れとしてバラけてしまう。ところが、同じ虚構を信じ合えるようになった途端、見ず知らずの他人どうしでも協力できるようになり、集団は何千、何万へとふくらんでいきました。ハラリは、私たちとチンパンジーを分けたのは「多数の個体や家族集団を結びつける神話という接着剤」だったと表現しています。そして、この「見知らぬ他人を信じられる」力こそが、やがて交易——つまり経済——を生み出した源でもあったのです。

お金は、その虚構のなかでも最大級のヒット作でした。1万円札そのものは、ただの紙切れに数字が書かれただけの物体でしかありません。ですが、それを受け取った人が「これは1万円の価値がある」と信じ、次の人もまた同じように信じる。その信じるリレーが途切れない限りにおいて、お金はお金として振る舞うことができる。一方で、ひとたび虚構を支える土台がひび割れた瞬間に、お金は元の紙切れに戻ってしまう脆い存在でもあるのです。

お金の正体は『相互信頼の虚構』であり、その

ハラリ自身が言っている、お金とは『相互信頼の制度』である

もうひとつ、お金の本質を理解する重要な一節が、『サピエンス全史』にはあります。

史上初の硬貨が生まれたのは、紀元前7世紀頃のリュディア王国(現トルコ付近)だとされています。その硬貨には、ふたつの情報が刻まれていました。どれだけの貴金属が含まれているかと、その中身を保証したのは誰か。つまりお金は、その誕生の瞬間から「モノとしての裏付け」と「誰かが保証してくれるという『信用』」の、両方を背負って生まれてきたわけです。

そして、お金はその歴史を通じて、ひたすら「抽象化」の道を歩んできました。貝殻、牛、塩、穀物、硬貨、紙幣、そして今や電子データに。ハラリは、世界に存在するお金のうち硬貨や紙幣のかたちを取っているのは1割にも満たず、9割以上はコンピューターのなかの数字にすぎない、と指摘しています。私たちはもう、ほとんど「数字への信頼」だけでお金を使っている、と言ってもいいでしょう。

だからこそハラリは、こう言い切ります。「貨幣は私たちが共有する想像の中でしか価値を持っていない。貨幣は物質的現実ではなく心理的概念なのだ」と。そして、私が最もお伝えしたい一節がこれです。

「信頼こそ、あらゆる種類の貨幣を生み出す際の原材料にほかならない。貨幣は相互信頼の制度であり、しかもただの相互信頼の制度ではない。これまで考案されたもののうちで、貨幣は最も普遍的で、最も効率的な相互信頼の制度なのだ」(ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』河出書房新社より)

お金の正体は、金でも紙でもなく『信頼』。人類が発明したなかで、もっとも広く通じる信頼のかたちだというのです。その証拠に、かつて宗教戦争で殺し合っていたキリスト教徒とイスラム教徒でさえ、商いの場では平気で相手側の硬貨を使い合っていた、とハラリは指摘しています。神への信仰は違っても、お金への信頼だけは分かち合えた。お金は、宗教の壁すら越えてしまうほど、私たちの『信じる力』に深く根ざしているのです。

「お金は虚構だ」「お金は信頼でできている」ここまでは、ハラリの書籍を丁寧に読めばみえてくる景色です。私がお伝えしたいのは、この『相互信頼』を、日々の自分のお金にどう落とし込むのか、この虚構を「裏返して」眺めたときに、初めてみえてくるその先の景色なのです。

裏返すとみえてくる、冷たいお金(信用・数字)と温かいお金(信頼・信頼残高)の二面性

ハラリが「貨幣=相互信頼の制度」と言うのなら、私はそこに、こう付け加えたくなります。その『信頼』には、実は温度の違う2つの層がある、と。その裏返しの景色を、私はよく『冷たいお金』と『温かいお金』という言葉で説明しています。同じ『みんなの信頼』から生まれていても、お金には性格の違う2つの側面があるのです。

ひとつ目の『冷たいお金』は、社会的な『信用』から生まれるお金。毎月のお給料、コツコツ貯めてこられた貯金、証券口座に並んでいる投資の評価額などの桁数で追いかけられるお金は、全てこの冷たい側に置かれるものです。契約書やスコア、勤続年数といった目にみえる形の裏付けをもとに、金融機関や社会が私たちを『信用』してくれることで動くお金でもあります。住宅ローンやクレジットカードなどはその典型例ですね。暮らしを守ってくれる『土台』であり、この土台があるからこそ、次の一歩に安心して踏み出していけるものになります。

もうひとつの『温かいお金』は、人と人との『信頼』——いわゆる『信頼残高』から生まれるお金です。金額としては数値化されない、目にみえない非言語のお金だとお考えください。この温かいお金をたくさん持っている方ほど、周りとの関係にもあたたかさが宿っていて、「ありがとう」「おかげさまで」を交わしあいながら、ご自身の好きな仕事を楽しそうにされていることがとても多いもの。

なお、この冷たいお金と温かいお金は、どちらか片方を選ぶような性質のものではありません。ちょうどコインの表と裏のように、常にセットで動いているのが、お金の本当の姿だと私は考えています。冷たいお金の土台があるからこそ、温かいお金に委ねる勇気が湧いてくる一方で、温かいお金の巡りがあるからこそ、冷たいお金は数字以上の意味を持ってくる。この両輪があってこそ、お金は本来の働きを見せてくれるものなのです。

先ほどの”あぶく銭”の感覚に話を戻すと、それはまさに、冷たいお金の数字ばかりに視線が寄っている状態だと言えます。銀行口座残高という”冷たい側の指標”は気になって何度も確認してしまうのに、温かい側——身近な人たちとの関係性(『信頼残高』)——のほうは、忙しさのなかでご無沙汰になっているかもしれません。虚構の一方の面ばかりを見つめていたら、そちら側の減り方だけで怖くなるのは、ある意味で当然のことでしょう。

お金の正体は『相互信頼の虚構』であり、その

お金への執着が手放せない根本原因は”稼ぎ方”ではなく『自己受容』のほう

それでは、私たちはどうしてこうも、冷たい側の数字ばかりを追いかけてしまうのでしょうか?

今回、最もお伝えしたいポイントがあります。お金を必死に追いかけてしまう根本原因は、これまで多くの方のご相談に乗ってきた範囲では、稼ぎ方や貯め方、増やし方などのスキルの問題ではないと私は感じています。その奥にあるのは、「いまの自分のままでは、価値がないんじゃないか」という不安や怖れ、いわば深い『自己受容』のテーマなのです。

数字としてのお金を積み上げることができれば、認めてもらえるかもしれない。もう少し稼げるようになれば、人から必要とされるかもしれない。もう少し貯めることができれば、安心できるかもしれない。そんな感覚をお感じではないでしょうか?

もし、そうなのであれば、その”もう少し”が、いつまで経ってもゴールにたどり着けない不安の原因だと言えるでしょう。なぜなら、追いかけている本当の対象は、数字ではなく「自分を受け入れる感覚」だからです。

(この逆説そのものは、追いかけるほどお金が遠ざかる理由でもお伝えしています。)

執着のクセは、子ども時代の”お金の記憶”からできている

とはいえ、これは決してあなたのせいではありません。お金への向き合い方の”クセ”の多くは、子どもの頃、家庭のなかで知らないうちに形づくられます。「お金の話は、はしたない」という空気だったり、逆に「お金がないと惨めになる」という不安だったり、親が背中で見せていたお金観を、私たちは言葉よりも先に受け取っているものだからです。

「お金の話をすると嫌な顔をされた」「贅沢は悪いことだと言われて育った」、逆に「お金がなくてみじめな思いをした」——こうした幼い頃の記憶は、大人になった今も”お金は怖いもの・足りないもの”という前提として、知らないうちに私たちの選択を動かし続けます。まずは「これは自分が選んだ考えではなく、受け取ってきたクセなんだ」と気づくこと。それだけでも、握る手の力は少し緩みます。(この”親から受け継ぐお金観”のしくみは、お金を使う罪悪感の正体で詳しくお伝えしています。)

そのうえ、物心ついた頃から、テストの点、偏差値、年収、フォロワー数と、あらゆる場面で「数字で測られる自分」に慣らされてきました。「数字が上がる=価値が上がる」という虚構を、いつのまにか自分自身にも当てはめてしまっている。ただそれだけなのです。

お金に執着してしまう自分を責めない——力むほど強くなる逆説

ここで大事なのは、「執着を手放さなきゃ」と気合いで念じるほど、かえってお金のことで頭がいっぱいになってしまう、という逆説です。手放そうとする力み自体が、実は執着の裏返しなのです。「考えないようにしよう」と思うほど、そのことを考えてしまうのと同じですね。ですから、無理に手放そうとしなくても大丈夫です。

そのかわりに、まずご自身へ言ってあげてほしい言葉があります。「稼ぎたかったんじゃなくて、安心したかっただけなんだね」と。数字を追いかけていた自分を責めるのではなく、その奥にあった「安心したかっただけの自分」を、まずはご自身で受け止めてあげることをオススメします。

握っていた手の力が緩むのは、たいてい「もう握りしめなくても大丈夫」と自分が思えたときです。すると、お金への執着は、頑張って「手放す」というよりも、自然と緩んでいくものなのですから。

執着の裏にある”生存不安”は、土台を調えると緩む

お金を握りしめてしまう状態の奥には、「なくなったらどうしよう」という生存への不安が潜んでいます。

実は、この「減るのが怖い」、「なくなったら困る」という感覚には名前がついています。行動経済学者カーネマンらが示した『損失回避』です。人は同じ金額でも、得られる喜びよりも失う痛みのほうを、およそ2倍ほど強く感じやすいという心の傾向を持っています。

さらに、「いくらあっても足りない」と感じ続ける状態は、経済学者ムッライナタンらが指摘した『欠乏(scarcity)』と呼ばれ、”足りない”という前提そのものが視野を狭め、目の前のお金に意識を奪われてしまうこともよく知られています。どちらも、あなたの心が弱いから起きるのではなくて、人間に誰しも備わった仕組みなのです。

ここで効果的なのは、精神論よりも前に、『冷たいお金』側の土台を調えてしまうこと。生活費の数ヶ月分を『生活防衛資金』として分けておくだけでも、「しばらくは大丈夫」という安心感が生まれ、不安からくる執着はかなり緩みます。心を調えることと、現実の土台を調えることは両輪なのです。

みんなの信頼で成り立つ共同幻想だからこそ、あなたが差し出す『あり方』がそのまま巡って返ってくる

虚構の面白さは、この先にあります。お金が『みんなの信頼』という共同幻想で成り立っているということは、そこに参加しているあなた自身の『あり方』が、その虚構のなかを流れる『温度』を決めている、ということを意味するからです。

不安と焦りから差し出したお金は、不安と焦りをまとって、周りへと広がっていきます。「取り残されたくないから」と支払ったお金は、受け取った相手にもどこか「やらなきゃ」「しなければ」といった義務感を残していきます。

一方で、「この人に喜んでほしい」「このご縁を大切にしたい」という気持ちから差し出したお金は、温かさをまとって次の人へと渡っていきます。虚構の紙切れは、渡し手の『あり方』、言い換えるなら『エネルギー感』を運ぶ乗り物のようなもの。だからこそ、あなたが差し出す体温が、そのまま巡りめぐって、いずれあなた自身のところへ返ってくるのです。

私が普段お伝えしているお金モテ®の視点では、この巡りを「満たす → 調える → 与える → 受け取る」の4つのステップとして眺めます。まずご自身のエネルギーを満たし調え、その温度のまま他の人へお金を流すことで、巡りめぐってやってきたお金を受け取ることができるようになります。そうして受け取ったら、また「満たす・調える」に戻る。そうして、ぐるぐると循環させていく。虚構の使い手になるというのは、この循環のなかに、自分の体温をきちんと乗せて流していくことだと言えるでしょう。

お金の正体は『相互信頼の虚構』であり、その

「お金を大切にする」と「お金に執着する」は、何が違うのか

「執着を手放す」と聞くと、「お金を粗末に扱えということ?」と誤解される方が一部いらっしゃいます。でも、まったく逆です。お金を『大切にする』ことと、お金に執着することは、似ているようで正反対のものなのです。

同じ1万円でも、この2つはまるで違う顔をしています。

■ お金を『大切にする』
お金を『信頼』の乗り物として扱う。「ありがとう」と気持ちよく巡らせる。減っても、必要なところへ流れていったと思える。心の軸にあるのは『安心』です。

■ お金に執着する
お金を”数字”として握りしめる。減ることが怖くて手放せない。使うたびに、どこかで損をした気持ちが残る。心の軸にあるのは”不安”です。

手放したいのは、この”執着”のほうです。お金を『大切にする』心は、むしろこれから育てていくもの。この2つを分けて考えられるようになると、「手放す」ことの意味が、腑に落ちていくことでしょう。

「何のために」お金が欲しいのでしょうか?——使い道を描くことで、握り締めた手は緩んでいく

そもそも、あなたは、「何のために」お金が欲しいのでしょうか?

実は、執着が最も強くなるのは、”目的のないお金”を追いかけているときです。どこへ向かうのか、何のために使うのかがわからないままに数字だけを増やそうとすると、いくら貯まっても「まだ足りない」の感覚は消えません。反対に、「このお金で、あの人とこんな時間を過ごしたい」という使い道ががはっきりしているときほど、握りしめる手は緩んでいきます。

ですので、ぜひ、金額のことはいったん脇に置いて、次の3つの問いに答えてみましょう。

  • 問1:お金の不安が消えたとしたら、明日、誰とどこでどんな時間を過ごしたいですか?
  • 問2:その時間のなかで、あなたの心が最も温かくなるのは、どんな瞬間でしょうか?
  • 問3:その温かさを、今日、ほんの少しだけ先取りするとしたら、何ができそうですか?

大切なのは、「お金がいくら必要か」よりも、「どんな感覚でお金を使いたいのか」のほうなのです。

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お金への執着を手放す方法・具体的な5つのステップ

ここまでの話を、明日から試せる形に落とし込みたいと思います。「手放そう」と力まなくても大丈夫。順番に進めていくことで、握り締めていた手が自然と緩んでいきますので。

① 気づく……残高を確認したくなったとき、「いま、数字で安心を確かめようとしているな」と気づく。責めなくて大丈夫です。

② 受け止める……「稼ぎたかったんじゃなくて、安心したかっただけなんだね」と、自分に言ってあげる(=『自己受容』)。

③ 分ける……その支払いは「やりたい」からか、”やらなきゃ”からか。一呼吸おいて仕分けしてみる。

④ 小さく使ってみる……金額ではなく『体温』を感じる練習として、少額のお金の使い方を1つ試してみる。お世話になった人へささやかなお礼を買ったり、応援したいお店で買うなど「この人に喜んでほしい」という気持ちでお金を使ってみる。あるいは、少額の寄付やお裾分けのように、見返りを求めず”ただ手放してみる”のも、握った手をほどく良い練習になります。まずは1回で十分ですので。

⑤ 見返りを数えない……温かいお金は、いずれ巡って返ってくると信じる。すぐの回収を求めた瞬間に、また”数字”の執着に戻ってしまいます。

一度で全てを完璧にやろうとしなくても大丈夫です。最初は①と②だけでも、握りしめていた手の力は、少しずつ緩みはじめますので。

執着からの卒業〜3つの実践法

先ほどの5つのステップを「日々の習慣」に落とし込むことで、お金の執着から卒業することができます。難しいことはありません。今日から試せる3つの方法をご紹介しますのでピンと来たものから試されてみてください。

① お金の「書き出し」ワーク(1日3分)……夜、その日に使ったお金を書き出して、それぞれの横に「やりたい」から支払ったのか、”やらなきゃ”で支払ったのかを一言書いてみてください。金額を管理する家計簿ではなく、自分が『どんな感覚』でお金を使ったのかを見るための、いわば心の家計簿です。数日続けるだけで、”使わなきゃ”でお財布を開くクセに、自分で気づけるようになっていきます。

② 感謝で「支払う・受け取る」ワーク……お金が動いたときに、心のなかで一言、感謝の気持ちを添える練習です。支払うときには「ありがとう、行ってらっしゃい!」。受け取るときには、金額の大小にかかわらず「ありがとうございます。嬉しいです!」と、まっすぐに受け取ってみましょう。言葉を添えることで、お金は『相互信頼』を深めあう道具なんだ、という感覚が少しずつ身についていきますので。特に、お金を受け取ることが苦手な方ほど、受け取る瞬間の一言が効いてきます。

③ 「残高チェックをやめてみる」欠乏感の実験……1日に何度も口座やカードの残高を確認してしまう方は、思いきって「今日は夜まで見ない」と決めて過ごしてみてください。といっても、これは我慢して欲求を封じ込める実験ではありません。もし途中で見てしまっても、責める必要はありませんので、ご安心ください。数字を確認できない間に、どんな不安な気持ちが湧いてくるでしょうか?その不安こそが、あなたが本当に手放したかった”欠乏感”の正体です。そして「見なくても無事に1日が過ぎた」とわかったときに、「握りしめなくても大丈夫なんだ」という小さな安心感が、あなたのなかに育っていくことになります。

私自身、”手放す”ことで巡りはじめた話

偉そうにお伝えしている私自身、かつては数字を握りしめていた側の人間でした。ある時期から、夜中に無性に部屋のモノを片づけたくなるような、そんな衝動が続いたことがあります。使っていないモノや、”いつか使うかも”と握りしめていたモノたちを手放していくうちに、不思議とお金の使い方まで変わっていきました。

「先にモノを手放す」「先にお金を気持ちよく使う」「先に執着を手放す」。そうやって握った手を解けば解くほど、自分のエネルギーが上がり、お金の巡りがよくなっていくのを実感したのです。

そのなかで自分に課している小さなルールが、『1つ入れる前に、1つ手放す』というものです。新しい服を1着迎えるなら、着ていない1着を先に手放す。本を1冊買うなら、読み終えた1冊を誰かに譲る。ものすごく地味な習慣なのですが、モノの循環が生まれるほど、心のなかで握りしめていた執着まで少しずつゆるんでいくのがわかります。モノを手放すことと、お金の執着をゆるめることは、じつは同じ小さな循環の両輪なのですね。(このモノを手放して余白をつくる実践については、お金はエネルギーという捉え方もあわせてどうぞ。)

手放すことは、決して失うことではなく、新しいものが入ってくる『余白』を自らつくり出すこと。頭だけの理解ではなくて、身をもって腑に落ちたことでした。

手放したお金は、”守る”より『育てる』へ

執着を手放していくと、これまで”不安だから”と握りしめていたお金に、少しずつ余白が生まれてきます。(握りしめて眠らせるだけのお金は、いわば「死に金」。死に金を生き金に変える使い方もお話ししています。)そのお金を、ただ口座で眠らせておくのではなく、自分の体温が上がる使い方へと、少しだけ回してみてください。

お金モテの『4つの窓』でいえば、まず”やらなきゃ”で消極的に払っている『必要経費』を、一度点検してみてください。当たり前だと思って払い続けている出費のなかに、手放せるものが見つかることがあります。そうして浮いた分を、心が満たされる『自己満足』へと回していく。これが実践のキモになります。そのうえで、余裕が出てきた分を、自分の未来やあり方を育てる『自己投資』へと少しずつ回していくイメージです。

ただし、焦って高額な教材やセミナーに飛びつくと、せっかくの自己投資が”事故投資”に変わってしまうこともあります。その見極め方は、自己投資は意味ないと感じる本当の理由|学びが”事故投資”に変わるときで詳しくお話ししていますので参考にされてください。

執着が緩んだあと、何が変わるのか(お金・人・仕事)

執着が自然と解けてゆくと、暮らしの手応えは、こんな風に変わっていきます。

お金……残高の増減に一喜一憂しにくくなり、”あぶく銭”のような消え方が減っていく。使うときの納得感が増えていきます。

人間関係……「ありがとう」「おかげさまで」が増え、損得よりも信頼関係で人とつながれるようになります。

仕事……“やらなきゃ”と焦りで選ぶ仕事が減り、「やりたい」から動けるようになる。結果として、温かいお金とのご縁が増えていきます。

もちろん、一夜にして切り替わるものではありません。ですが、「もうギュッと握り締めなくて大丈夫」と思えた分だけ、少しずつ現実になっていくことになります。

お金に対する執着心は、別の『ものさし』を持つほど自然とゆるむ

執着が緩みはじめると、「お金以外の豊かさ」が、少しずつ視界に入るようになっていきます。別に、お金を”軽んじる”必要はありません。ただ、お金という『ものさし』だけで自分の価値を測ろうとすると苦しみの原因になりますが、他のものさしにも目が向くバランスのよさを身につけることで、執着緩和への効果が期待できるのです。

例えば、こんな『ものさし』が、あなたのなかにもありませんか?

  • 健康……朝、身体が軽くスッキリ目覚められる。よく眠れる。疲れがちゃんと抜けている。数字には出にくいものの、暮らしの土台になる重要な豊かさです。
  • 人間関係……素直に「ありがとう」「おかげさまで」と言いあえて、一緒に笑いあえる相手が身近に何人いるのか。『信頼残高』は、この関係性の厚みそのものだと言えます。
  • 時間……自分のために使うことのできる時間や、大切な人と過ごす時間を、どれくらい確保できているかどうか。
  • 学び・成長……昨日の自分よりも、ほんの少しでも新しいことを知ったりできるようになっているかどうか。成長は、それ自体が報酬にもなります。

お金だけが価値を測るものさしではありません。お金以外のものさしに意識が向いて、それが満たされるに連れて、お金への執着は自然と緩んでいくようになります。そしてこの満たされている感覚こそが、そのまま『自己受容』を育ててくれるのです。「いまの自分には、もうこんなにもあるんだな」と受け取れるようになったときに、お金というたったひとつのものさしだけに依存しなくなり、お金の執着が解消へと向かうのです。

身近にお金に執着する人がいるとき——相手を変えようとしなくていい理由

ここまでは、ご自身の執着を手放すお話をしてきました。ですが、この記事にたどり着かれる方のなかには、悩みの相手がご自身ではなく、パートナーやご家族、身近な誰かだという方もいらっしゃるかもしれません。お金の話になると相手の様子が変わってしまう、という戸惑いです。そこで、身近な方との向き合い方についても、3つだけお伝えしておきますね。

■ 相手が握りしめているのも、”数字”ではありません……ここまで読んでくださったあなたなら、もうおわかりかと思います。相手が守ろうとしているのも、残高という”数字”ではなく、その先にある暮らしの安全だったりします。ですから「ケチだ」「細かい」と責めても、不安が強まるぶん、握る力はむしろ増していきます。

■ そのお金観は、相手が選んだものではないかもしれません……お金への向き合い方の多くは、その人が育った時代や家庭のなかで、知らないうちに受け取ったものです。「なぜこの人はこうなんだろう」ではなく「この人は何を守ろうとしているんだろう」と眺め直してみると、見え方がずいぶん変わります(詳しくは親から受け継ぐお金観の正体でお伝えしています)。

■ 自分の温度感は、自分で決められます……最も気をつけたいのは、相手の冷たさに引きずられて、自分まで”数字”で人を測りはじめてしまうことです。相手を変えようとするのではなく、自分の『あり方』を保つこと。お金には人間関係もそのまま映りますので、あなたの温度感が変わると、関係性のほうが先に変わりはじめることも少なくありません(お金と人間関係もあわせてどうぞ)。

相手の執着は相手側の課題であって、本人が解決したいと望まない限り、こちら側の力で解決することはできません。ですが、自分自身が相手の不安に影響されてしまわないように気をつけることはできますので、まずはここからはじめられることをオススメします。

お金の執着について、よくいただくご質問

Q. 執着を手放すと、収入まで下がってしまいませんか?
私の経験上、むしろ逆のことが起こりやすいです。執着とは、言い換えれば”数字への不安”でもあります。つまり執着を手放すことは、”やらなきゃ”で動く自分を卒業して、「やりたい」を軸にした自分へと変わっていくことでもあるのです。その結果、人との出会いを通じてやってくるお金とのご縁はむしろ増えていきます。手放すのは”不安”であって、あなたとお金とのご縁ではないのです。

Q. 貯金することも、執着になってしまうのでしょうか?
貯金そのものは、暮らしを守ってくれる大切な『土台』のひとつですので問題ありません。問題になるのは、「いくら貯めても、全然安心できない」という状態のほうです。むしろ数ヶ月分の『生活防衛資金』を貯めておくことは、執着を緩める助けにもなりますのでオススメです。貯めること自体ではなく、貯めても消えない不安のほうにぜひ目を向けてください。

Q. いま借金がある場合は、どうすればいいですか?
まずは、現実の土台を調えることが先です。返済の見通しを立て、暮らしの基盤を調えることと、心の『あり方』を調えることを、同時に進めていきましょう。「お金が怖い」という感情に飲み込まれずに、「これは自分の過去のクセの結果に過ぎないんだ」と一歩引いて、客観的に眺め直すことで、返済と向き合えるようになり、完済に向けての意欲が戻ってきます。

Q. 何から始めればいいのかわかりません。
まずは、5つのステップの①「気づく」と②「受け止める」だけで十分です。残高を見たくなったときに「いま、数字で安心を確かめようとしていたな」と気づき、「安心したかっただけなんだね」と自分に声をかける。たったそれだけでも、握り締める手の力が緩みはじめますので。

Q. お金への執着って、”病気”なのでしょうか?
ご安心ください、多くの場合、これは”病気”と呼ぶようなものではありません。(もし不安が強く、眠れない・生活に支障が出ていると感じる場合は、無理をなさらず専門の窓口にご相談くださいね。)お金への執着は、その奥にある「安心したい」という気持ちのあらわれ、いわば不安のサインだと言えます。意志が弱いからでも、問題があるからでもありません。まずは”執着してしまう自分”を責めずに受け止める(=『自己受容』)ところから取り組めば、握りしめる力が少しずつ緩んでいきます。

Q. お金への執着は、スピリチュアルで”なくす”ことができますか?
「引き寄せ」や「浄化」で執着をなくそう・捨てようとする方も多いのですが、お金モテでお伝えしているのは、目にみえない不思議な力の話ではありません。執着は、気合いで”なくす”ものでも”捨てる”ものでもなく、その奥にある不安を自分で受け止めたときにはじめて、自然と緩んでいくものです。スピリチュアルに寄せすぎず、かといって数字だけで割り切らない。そのバランス感覚のなかで、ご自身の『あり方』を調えていくのが近道になります。
Q. 「引き寄せ」や「潜在意識」を試しても、お金の執着が消えませんでした。
とてもよくいただくご相談です。願ったり唱えたりするだけでは、奥にある”欠乏感”はなかなか緩みません。大切なのは、テクニックの前に「自分はもう満たされている」という『あり方(自己受容)』のほうを先に調えること。その土台ができてから潜在意識にアプローチすると、無理なく手がゆるんでいきます。詳しくはお金の引き寄せができない5つの理由お金のメンタルブロックの外し方もあわせてどうぞ。

Q. お金の知識が足りないせいで不安なのですが、何から学べばいいですか?

「知識が足りないから不安」——とても真面目な方ほど、そう感じやすいものです。ですが、ここまで読んでくださったあなたには、こうお伝えしたいと思います。不安の正体は、知識の量そのものよりも、その奥の「安心したい気持ち」のほうかもしれませんよ、と。ですから、まずは心をすり減らさないように、焦らず少しずつ学ばれることをオススメします。

  • ①家計を”見える化”する……何にいくら使っているかを知るだけで、漠然とした不安はかなり小さくなります。
  • ②生活防衛資金を用意する……生活費の3〜6か月分を、すぐ使える形で確保する。この土台があるだけで、心はずいぶんと落ち着きます。
  • ③少額の積立から始める……いきなり大きく増やそうとしないことが大切です。無理のない額を、コツコツと定期的に積み立てていくのがオススメです。

学ぶ先は、まずは金融庁や消費者庁などの公的な無料情報や、長く読み継がれてきた信頼できるロングセラーの書籍で十分です。高額な情報商材に飛びつく必要は一切ありません。もし個別に相談したくなったら、特定の商品を売らない立場の専門家を選ぶと安心です。

虚構の使い手になる第一歩〜お金モテ冒険者タイプ診断で、『お金との上手なつきあい方の型』を知る

とはいえ、「あり方を調えましょう」「温度を乗せましょう」と言われても、いま現在ご自身がどのあたりに立っているのかがわからなければ、次の一歩は踏み出しにくいものです。

そこで役に立つのが、いまのあなたが、冷たい側(信用・数字)と温かい側(信頼・信頼残高)のどちらに軸足を寄せているのか、という『型(タイプ)』を映し出してくれる、私のご用意している『お金モテ冒険者タイプ診断』になります。

この診断は、性格を当てるテストではありません。生まれ持った人柄を決めつけるのではなく、「今この瞬間、あなたはお金にどんな温度で向き合っているのか」を、いますぐ教えてくれるものです。ご興味がおありであれば、ぜひ一度チェックされてみてくださいね。

虚構だからこそ、あなたの『あり方』が試されている

「お金は虚構だ」と指摘するだけなら、書評サイトで十分です。ですが、その事実を知って本を閉じても、明日の1万円の使い方はなにも変わりません。

ハラリは『サピエンス全史』を、こんな問いで締めくくっています。私たちは虚構の力で神の寸前にまで登りつめたのに、「自分が何を望んでいるかもわからない、不満で無責任な神々」のようだ、と。そしていま、昭和の時代には誰もが信じて疑わなかった、大企業神話も、学歴神話も、終身雇用神話も崩れ、代わりに信じるに足る新しい物語は、まだ用意されていません。

私たちがなんとなく抱えている将来への不安の正体は、案外この”神話不足”にあるのかもしれません。だからこそ、外から与えられた虚構としてのお金に振り回されるのではなく、自分がどんな『あり方』でお金とつきあっていくのかを自分で決めることが、これまで以上に問われる時代だと言えそうです。

お金は、あなたが虚構に差し出している『温度』を、そっくりそのまま映し返してくる存在でもあります。冷たい側の数字ばかりを追いかけていた昔の自分も、株やFXで1000万円を超える額を溶かしていた時期には、まさにその冷たさがそのまま現実に反映されていました。

一方で、独立して10年以上、自分の言葉で仕事を続けてこられた今の自分が、その経験から確信を持って言えるのは、お金との関係を根本的に変える一歩は、稼ぎ方や投資術の勉強ではなく、まずは自分の『あり方』を丁寧に見直すことだ、ということなのです。

お金は虚構である——つまり、みんなの信頼という共同幻想で成り立っている——だからこそ、そこに乗せるあなたの温度が、そのままお金の流れに投影されていきます。自分のあり方が目の前のお金の現実をつくっている。そう見立てて眺め直してみたときにはじめて、あなたにとっての、お金と上手につきあっていく道がハッキリとみえてくるのです。

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ともたけ@お金モテ®の人
お金モテ®︎の人|お金にモテるって、面白い。|東大→JR九州→MBA→(株)with my style代表|株とFXで1000万円溶かす→お金との向き合い方を変えて再起→メルマガ売上8桁→被災地へ仲間と211万円寄付|法人10期目|オンラインサロン10年運営|競馬・ホテルステイ・読書・クレカ・マイル・BTC好き|オーストラリア馬主
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