宝くじを買ってはいけない本当の理由|欲しい時ほどお金が遠ざかるしくみ

「今月、もう少しお金があれば…」そんな気持ちが胸をよぎった帰り道、宝くじ売り場の派手なのぼりが目に飛び込んできて、思わず足を止めてしまった経験はありませんか?
私にも、まったく同じ経験があります。株とFXで1,000万円超を溶かしたあの頃、私はいつも「何かで一発逆転、取り返せないのか?」と目を血走らせていたものです。宝くじ売り場の前でお財布のヒモを何度もゆるめかけては、複雑な気持ちで通り過ぎた日のことを、今でもよく覚えています。
今日は、お金モテ®の視点から「なぜお金が欲しい時ほど宝くじを買ってはいけないのか」を、読者の方からよく頂く3つの問いに沿ってお答えしていきます。ちなみに、これは「宝くじを一切買うな」というお話ではありません。
なお、宝くじに「当たった後」に、かえって不幸になってしまう人の共通点は、宝くじに当たった人のその後にまとめています。
先に結論をお伝えします
宝くじを買わない方がいい理由は、当たらないからではありません。買いたくなったときのご自身が「満たされた」状態ではなく「欠乏」に傾いているからです。欠乏から出ていったお金は、当たっても当たらなくても、あなたの手元には残りません。買うか買わないかを決める前に、まず見ていただきたいのは、そちらのほうなのです。
「お金が欲しい時ほど、つい宝くじを買ってしまう」その心理の正体
なぜ、お金に困っている時ほど、宝くじ売り場に吸い寄せられてしまうのでしょうか。
答えは、お財布の中身ではなく、心の状態にあります。「足りない」という欠乏感に飲み込まれている時、人は「一発で全部ひっくり返したい」という焦りに支配されます。その焦りが、期待値の悪さも当選確率の低さも忘れさせ、のぼりの「7億円」だけを大きく見せてしまうのです。
つまり、宝くじを買いたくなるその瞬間は、あなたの『あり方』が満たされておらず”欠乏”に傾いているサインでもあります。お金にこれほど期待してしまうときは、お金に振り回されている状態だとも言えます。ここから、読者の方によく頂く3つの問いに沿って、ひとつずつ紐解いていきましょう。

Q1:どうしてもお金が欲しい時こそ、宝くじで一発逆転を狙うのはアリですか?
結論から申し上げると、これは自分の経験からも、ハッキリと「ナシ」と言えるでしょう。
お気持ちはとてもよく分かります。急な出費、給料日までの空白、事業の資金繰り。そういう時に限って、宝くじ売り場の「1等7億円」ののぼりが妙にキラキラして見えるもの。「もし当たったら、すべて解決するのに」という声が、頭のなかでどんどん大きくなっていく。
ですが、まずは、いったん立ち止まって、冷静に数字を眺めてみましょう。ジャンボ宝くじの期待値は、一般的に販売価格の45%前後だと言われています。つまり、300円のくじを1枚買った時点で、統計的には135円分の”見えない出費”がすでに確定しているようなもの。
当せんする確率のほうも、あわせて見ておきましょう。年末ジャンボ宝くじは1ユニットが2,000万枚で、そのなかに1等(7億円)は1本という設計です(宝くじ公式サイト)。つまり300円のくじを2,000万枚、金額にして60億円分買って、ようやく1等が1本という計算になります。
数字を見ただけでも、これは「投資」ではなく、支払ったお金が瞬時に溶けてしまう可能性の高い出費。お金モテ®の言い方をすれば、”事故投資”にかなり近い使い方なのです。
もっとも、私が「ナシ」と申し上げたい本当の理由は、期待値の話だけではないのです。もっと深いところにあります。それは、「お金が欲しくてたまらない」というエネルギー状態のまま買う一枚は、たとえ当たったとしても、あなたを幸せから遠ざけてしまいがちだからです。
念のためお伝えしておくと、当たること自体を否定したいわけではありません。ですが、欠乏感で満たされたコップに水を注いでも、コップの底に穴が空いていたら、いくら注いでも満たされません。実際、米フロリダ州の宝くじ当せん者を追跡した研究では、大金の当せんは破産を防ぐのではなく、先延ばしにしただけだったと報告されています(Hankins・Hoekstra・Skiba, 2011/Review of Economics and Statistics)。理由はシンプルで、”受け取る前の器”が調っていないままだったから、なのです。
お金モテ®の考え方では、お金には性質のちがう2種類のお金が同時に存在すると考えます。ひとつは、家賃や貯金、資産額のように数字で管理できる、信用から生まれる『冷たいお金』。これは生活を守る『土台』です。
そして、もうひとつが、数字には表れない、信頼から積み上がっていく『温かいお金』です。一般に『信頼残高』と呼ばれているものになります。この2つは、お金の表と裏の関係にあり、どちらか一方だけでは成り立たない両輪なのです。
「一発逆転」で手に入れた冷たいお金は、たしかに数字としては大きいかもしれません。でも、その裏側にあるはずの『信頼残高』は、逆転の瞬間には1円たりとも増えていないのです。だから土台がグラつきやすい。数字だけが先行して、自分のお金を扱う器としてのあり方がついていかない。これが不幸の原因になってしまうのです。

Q2:「夢を買う」なら買ってもいい、という理屈は本当ですか?
この問いも、じつはよく頂きます。「期待値なんて野暮なことは分かってる。私が買っているのは”夢”だから」そうおっしゃる方は少なくありません。
「夢を買う」という表現、実にとてもよくできた言葉だと思っています。よくできているからこそ、少しだけ丁寧に分解して見ていきたいと思います。
“夢”という言葉の中身は、ふたつに分かれると私は考えています。ひとつは、「もし当たったら世界一周に行きたい」「あの人に恩返しがしたい」という、叶えたいイメージとしての夢。そして、もうひとつは、「今のこの生活から、抜け出したい」という、現実から逃げたい気持ちとしての夢です。
前者の夢を持っている方は、実は宝くじがなくても、その夢に向かって少しずつ動きはじめている場合が多いのです。宝くじは、そのイメージをちょっとだけ膨らませてくれるスパイスに過ぎません。買っても買わなくても、あり方はブレないでしょう。
問題は後者の”逃げたい”夢のほう。こちらは、「今の現実から目を逸らしたい」という欠乏感が動力源になっています。300円を払った瞬間の「もし当たったら…」という数分間の高揚が、じつは”痛み止め”として機能してしまっているのです。
とはいえ、痛み止めが切れれば、痛みはまた戻ってくるもの。そのため毎週、毎月、また買いに行くことになる。こういう買い方をされている方が少なくないのです。
お金モテ®の言い方をするなら(図解参照)、これは『お金の4つの窓』のうち、Dの必要経費のように”しぶしぶ払う”のとも、Bの自己満足で体温が上がるのとも異なります。むしろCの事故投資、「なにかいいことがあるかも」と期待して払ったのに、結果的にお金だけが溶けてしまう出費に近いのです。
判断の『ものさし』はシンプルです。「この一枚に300円を差し出す今、自分の体温(エネルギー)は上がっているかな?」と、自分の胸のあたりに問いかけてみます。ここでいう体温が上がる感じ、というのは、大好きなカフェで一杯の美味しいコーヒーを頼む時のあの高揚感や、大切な人へのプレゼントを選んでいる時のワクワク感に近いものです。
もし「今の現実から目を逸らしたくて、逃げるように買っている」と気づいたのなら、その300円は”夢”ではなく”逃避”を買っている可能性が高いでしょう。少し痛いところかもしれませんが、正直に見つめてみる価値があると思うのです。

Q3:還元率47%(期待値マイナス)と分かっていても、少額なら趣味で買っていい?
なるほど、これはとても大人らしいご質問だと思います。競馬もパチンコも宝くじも、大人の”遊び”として楽しむ分にはいいじゃないか、と。
じつは私自身、大人の教養として競馬を嗜んでいて、オーストラリアで馬主もしています。ですから「少額の娯楽としてのギャンブル」を頭ごなしに否定するつもりは一切ありません。とはいえ、この場合でも「買う時のあり方」で結果がまるで変わってくることには注意が必要です。
同じ300円でも、次のふたつは、全く違うお金の使い方なのです。
- 友人と番号を予想しあいながら、抽選日をワイワイ楽しむための300円(=Bの自己満足に近い)
- 「もしかしたら今週こそ…」と、給料日前の不安を紛らわすために売り場に並ぶ300円(=Cの事故投資に近い)
金額は全く同じです。でも、その一枚を買う時に自分のエネルギーが上がっているのか、下がっているのか。この違いによって、お金の性質は全く違うものへと変わってしまうのです。
お金モテ®でお伝えしている『お金の4つの窓』のうち、実践の核は「Dの必要経費 → Bの自己満足へシフト」することにあります。しぶしぶ払っているだけの出費を減らして、自分の体温が上がる心地よい消費に少しずつスライドさせていく。この積み重ねによって、お金への恐れや不安を、少しずつ手放していけるようになれるのです。
ですから、宝くじを買う300円も、自分の体温が上がる楽しい遊びとしてのB自己満足に完全に振り分けられているなら、それはそれで悪くない使い方だとも言えるでしょう。問題は、「趣味だから」「少額だから」と言い訳しながら、じつはCの事故投資として買ってしまっている場合なのです。
ただ、これは他人が判定できるものではありません。買う本人にしか分からない、その方の『あり方』の問題なのです。ですから金額の大小よりも「今、自分はどんな動機とどんなエネルギー状態でこの一枚に手を伸ばしているのか?」を見つめるほうが、はるかに重要だと私は考えています。

あなたが売り場で足を止めるのは、夢のため?それとも、いまの不安から?
お金持ちが宝くじを買わない理由〜お金モテな人が持っている、たった一つの判断軸
3つの問いを並べてみると、共通するものが浮かび上がってきます。それは、「お金が欲しい時ほど買ってはいけない」というのは、金額の話ではなく、実は自分自身のエネルギー状態の話だということなのです。
お金モテ®の考え方では、自分のエネルギー状態を4ステップで分けてチェックします。それが、『満たす → 調える → 与える → 受け取る→再び、満たす』という順番で、らせん状にぐるぐると回り続けているものなのです。そのとき、一番はじめの「満たす」が抜けたまま「受け取る」だけを狙いに行こうとするのが、欠乏感からの宝くじ購入だと言えるでしょう。
この順序を飛ばしたまま先に進もうとすると、ほとんどの場合、お金はうまく巡ってきません。自分で自分を満たせていない状態のまま、外から大きなお金だけを引っ張ってこようとするのは、コップの底に穴が空いたまま、上から水をドバドバと注ぎ続けるようなもの。注げば注ぐほど、コップの周りが水浸しになってしまうだけなのです。
もうひとつだけ、ぜひ追加しておきたい視点があります。それが、「お金が欲しい」というエネルギー状態のままでいると、自分で全世界に対して「私は今、不足しています」というメッセージを無意識に発信し続けている、という視点です。お金モテ®では、こんな風に捉えるのです。
お金は、人と人とを繋ぐコミュニケーションツールのひとつでもあります。ですから自分が発信するエネルギーがそのまま、引き寄せる人の質を決めていきます。(この”足りない”から願うほど、引き寄せがかえって空回りする仕組みは、お金の引き寄せができない理由でお伝えしています。)「足りない、足りない」という欠乏感を出している人のところに集まってくるのは、一発逆転できそうな超ハイリスク投資案件を紹介してくる怪しい人だったりします。結果、”もっとお金が足りなくなるトラブル”に巻き込まれやすい。詐欺案件などはその典型です。皮肉なようですが、これがお金と人間のあり方との関係性なのです。
逆に、自分を自分でちゃんと満たすことができていて、他者との間で『信頼』を少しずつでも積み上げることのできている人には、自然と人が集まり、人を通じてお金が巡っていきます。これが「お金モテ」の定義——お金を追いかけて必死に稼ごうとするのではなくて、自分のあり方を調えた結果、人を通じて自然と必要十分なお金が巡る状態なのです。
ですから、「お金が欲しい時ほど、宝くじではなく、まず自分を満たすほうへエネルギーを注ぐこと」をオススメしています。例えば、もし今、手元に1,000円があるのなら、その1,000円で自分の体温の上がる小さな『自己満足』、例えば、好きな豆で淹れたコーヒー、ずっと読みたかった1冊、大切な人へのプレゼント用のお菓子などに使ってみるといいでしょう。この積み重ねの中にこそ、お金の欠乏感から抜け出すヒントが隠れているのです。
買わなかった300円は、じつは『信頼残高』を積み上げている
もう一つ、お伝えしておきたい面白いお話があります。「宝くじを買わなかった300円」は、そのまま貯金箱に落ちるだけのお金ではないのです。
その300円をどう使うか。例えば、いつもより少しいい豆でコーヒーを淹れて家族と一緒に飲む。お世話になっている方にちょっとした差し入れを持っていく。自分がずっと気になっていた本を1冊買って、そこで得た学びを誰かに話す。こうした小さな『自己満足』や『自己投資』の使い方が、目に見えないところで、人を通じてお金がやって来る源泉としての『信頼残高』を積み上げてくれるのです。
宝くじ売り場に落ちるはずだった300円が、身近な人との関係を温める300円に姿を変える。これが1回、10回、100回と積み重なっていくことで、1年後にはこれまでとは全く違った景色が見えていることでしょう。
私が300円当たった時に見えた、受け取った先の景色
ちょっとだけ、自分自身の小さなエピソードにおつきあいください。私は以前に、ふとした時に買った宝くじで300円だけ当たったことがあるのです。いわゆる末等の当たりですね。
これが自分にとってはとても面白い体験だったのです。なぜかというと、その時の私は「お金が欲しくて欲しくて仕方ない」状態で買ったのではなくて、遊び感覚で、ある種のネタとして買っていたのです。ですから当たっても浮かれずに、外れてもガッカリせずに、「へえ、そうきたか」と面白く受け取ることができました。この「ただ受け取る」という感覚が、実ははとても大事だと私は感じているのです。
お金モテ®の4ステップの最後は「受け取る」でした。この「受け取り」が下手な人ほど、お金の流れは停滞しやすいと私はお伝えしています。「受け取り」がうまい人というのは、大金が入ってきた時にも、小さな300円の当たりが入ってきた時にも、同じように素直に、ちゃんと喜んで受け取れる人なのです。
反対に、欠乏感で買った宝くじが仮に大当たりしたとしても、その受け取りは”素直”にはなりにくいもの。「やっと来た」「これで見返してやる」「もう二度と離すもんか」。そんなエネルギー感で受け取ったお金は、握りしめれば握りしめるほど、指のあいだからサラサラと砂のようにこぼれ落ちていきやすいもの。私が1,000万円超を溶かした時に味わった感覚が、まさにこれだったのです。
ですから「不足感を感じている時ほど、むやみに欲しがらない」という選択ができる人というのは、「買わない」という我慢をしているのではないのです。買わなくても大丈夫な自分を、日々のなかで少しずつ積み上げることができている。この土台があるからこそ、300円の当たりが来ても、まさかの7億円の当たりが来ても、あるいは仕事で大きな報酬を受け取ることになったとしても、普段と変わらずにいることができる。結果として、そのお金を味方にすることができるのです。
お金を味方にするのか、それとも敵にしてしまうのか。それを決めているのは、金額の大きさではなく、受け取る時の自分の『あり方』なのです。
売り場を”問いの装置”に変える——今日からの一歩
では、実際に売り場の前で足が止まってしまった時、どうすればいいでしょうか?
お金モテ®のなかでオススメしている、たった一つの問いがあります。それはとてもシンプルな問いです。
「今の私は、この一枚を楽しんで買おうとしているのか? それとも、逃げるように買おうとしているのか?」
この問いを、売り場の前で、一度、深呼吸をしてからご自身に問いかけてみてください。答えを他人に説明する必要は一切ありません。自分の胸のなかで答えが分かればいい問いですので。
「楽しんで買おうとしている」とご自身の体温がYesと答えたなら、それは『B自己満足』の使い方に近いので、買っても大丈夫でしょう。抽選日までのワクワクを、大人の遊びとしてじっくりと味わえばいいのですから。
反対に、「逃げるように買おうとしている」と、胸のあたりが少しギュッとなったのなら、その時は、その一枚を買わずに、お金を持ってその場を離れるのがオススメです。そして、そのお金で自分の体温が上がる、なにか別のものを選んでみましょう。近所のパン屋さんの好きなパン。行きつけのお店のコーヒー。ずっとメモしていた気になる一冊。金額は小さくてOKです。小さくても、何度でも繰り返して自分のために使っていく。そこにこそ、大きな価値があるのです。
「売り場の前で立ち止まって、自分に問いかける」という行為そのものが、実は『あり方』を調える強力なトレーニングになってくれます。宝くじを買うか買わないかではなく、今の自分のエネルギー状態を確認する時間を持てているかどうか。ここに、お金モテ®の実践のキモがあるのです。
ここまで、お読みくださいまして、いかがだったでしょうか?「宝くじを買ってはいけない」というお話は、実は宝くじのお話ではありませんでした。買う前の自分の『あり方』が、”不足”な状態なのか、それとも「十分」な状態なのか、それを教えてくれるのが、あの派手なのぼりの立った宝くじ売り場なのです。
「買わない」を選ぶことは、決して痩せ我慢ではありません。「今、逃げたくなっているな」「今、”足りない”って感じているな」。そう気づけたのなら、その瞬間から、あり方を調え直す一歩をはじめていけばいいのです。
かつて株とFXで1,000万円超を吹き飛ばした私ですら、お金を稼ごうとする意識から、お金にモテようとする意識へと重心をシフトさせてからというもの、お金とのつきあい方が根本から変わっていきました。
おかげさまで、お金モテ®をお伝えする仕事を独立して10年以上、続けさせて頂いています。お金は、稼ぐものでも、当てるものでもなく、自分自身の今のあり方に応じてやってくる、とても面白く興味の尽きない存在です。
ぜひ今日から、街で宝くじ売り場を見かけた時には、「今の自分は、どんなエネルギー状態だろう?」と、ご自身に問いかけてみてください。その、たったひとつの小さな問いが、あなたがお金ともっと上手につきあえるようになるためのヒントを教えてくれますので。
あなたが今、お金とどんな『あり方』で向き合っているのかは、お金モテ冒険者タイプ診断で1分ほどで見えてきます。宝くじに頼りたくなる心の奥をのぞく手がかりとして、よければ一度試してみてくださいね。
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