「まだ使うかもしれないから」。クローゼットの奥から出てきた紙袋を、結局また元の場所に戻す。読まない本、着ない服、いつか使うと取っておいた包装紙。捨てたほうがいいとわかっているのに、手が止まってしまう。そんな経験はありませんか?

結論を先にお伝えすると、私の経験では、捨てると入ってくるのは本当です。ただし、順番があります。手放すことができない理由の中心にあるのは片づけのノウハウや知識ではなく、お金への欠乏感であることが多いからです。

やることは3つです。①先に「手放す」と決める → ②手が止まったときに生じる「もったいない」という不安を受け止める(=『自己受容』)→ ③空いた場所へ、体温の上がるものを1つだけ、自分から動いて入れる。この流れを押さえないまま、いくら断捨離を繰り返しても、部屋は元の散らかった状態に戻りやすいのです。以下、私自身の引っ越しのお話を基に順にお伝えしていきます。

「1年使っていないモノは全部捨てる」〜引っ越しで契約費用が40数万円安くなった話

2025年のお盆の週に、10年半住んだ部屋の家賃を4万円値上げしますという予告が届きました。その翌日には候補物件の内見を済ませて引っ越し先を決定。お盆明けには審査も通り、業者との契約まで一気に進みました。

ここで不思議なことが起きます。新築未入居の物件だったのに、賃貸契約にかかる費用が40数万円ほど安くなり、エアコンの設置工事費用までタダになったのです。狙ったわけではなく、値上げ予告に押されて動いただけでした。

引っ越しまでのおよそ1か月間、私が自分に課したルールは3つだけ。1年間使っていないモノは全て捨てること。迷ったなら捨てること。どうしても必要なら、また後で買えばいいと決めること。この3つを基準に部屋を片っ端から整理して、驚くほどスッキリした状態で新居へと移ったのです。

やってみて気づいたのは、迷ったモノがほとんど「高かったモノ」だったということ。価格を覚えているモノほど、手が止まる傾向にありました。でも、逆に言えば、私を迷わせていたものは、モノそのものではなく、過去に支払った金額のほうだったのです。

「ときめくかどうか」と「1年使っていないか」は、何が違うのか

片づけの定番の基準に「ときめくかどうか」があります。あれは感性のものさしで、自分の心の反応を信じることができる人にとっては、とても有効な方法だと思います。一方で、私が使った「1年使っていないか」は事実のものさしです。使ったのか、使っていないのか。それだけなので、感情の出番がありません。ここに優劣をつけたいわけではありません。ただ、迷いやすい方ほど、感性よりも事実のものさしから始めるほうが圧倒的にラクな傾向にあります。ときめきで選ぼうとすると、「ときめかないけれど高かった」の一言で、結局、手が止まってしまいがちですのでご注意ください。

捨てると入ってくるのはなぜ?空白の法則が本当に働いていた場所

スピリチュアルの世界では「空白の法則」と呼ばれるそうです。空いた場所には何かが入ってくるという説明で、それ自体は間違っていないと、私も過去の経験から実感します。ただ、お気づきのとおり、私の場合は引っ越しを決めたほうが先で、モノを捨てたのは後でした。「捨てたから安くなった」のではありません。

先にあったのは、10年半住んだ部屋を手放すと即決したことのほう。愛着も、慣れた生活も、翌日には手放すと決めました。先に「自分で決める」ことがなければ、新しい物件には出会えていなかったでしょう。空白の法則が働いていたのは部屋の空いたスペースではなく、「手放す」と決めた私の心のほうだったのです。

「空白の法則」を心理の言葉に置き換えると

モノは、1つ持っているだけで「これ、どうしよう」という宿題を1つ、こちら側に預けてきます。頭の片隅にずっと居座る、あの感じですね。1年使っていないモノを1つ手放すたびに、その宿題が1つ片づいていく。数百個ぶんが片づいたとき、空いたのは部屋ではなく、迷うことに使っていた頭のほうだったのです。

そして、ここからが本題です。手放す経験を繰り返すと、「なくても大丈夫だった」という成功体験が積み上がります。欠乏感が薄まるほど、目の前に来たお話へ「はい」と即答しやすくなる。これは私自身の実感です。値上げ予告の翌日に内見へ動くことができたのも、部屋を片づける前から、10年半の愛着を抱え込んではいなかったからでしょう。空白の法則は、空いた場所に何かが降ってくる魔法ではありません。先にスペースを空けた人が、身軽になって動くからこそ、入ってくるのです。

ただし、捨てるだけでは入ってきません

ですから、部屋を空にしただけで口座にお金が振り込まれる、みたいなことはまず起こりません。空白というのは、お金やチャンスがやってくる道のようなものであって、お金やチャンスそのものではないからです。「断捨離したのに何も起きない」という感想の多くが示唆しているのは、その後、動いていない点に原因があると私は見ています。

私の場合も、捨てたから条件が良くなったのではありません。内見に行き、申し込みをして、審査を待ち、契約書に署名しました。手放すことと、決めて動くこと。この2つはセットなのです。

では、空いた場所には何が入ってきたのか

私の引っ越しで実際に起きたのは、この3つでした。1つ目は条件、2つ目は決断から契約までのスピード、そして3つ目が判断容量の増加です。持ち物が減ったぶん、「これ、どうしよう」に使っていた思考を、そのまま次の選択や判断に回すことができるようになったのです。

「捨てると入ってくる」の順番の図解。決める→手放す→欠乏感が薄まる→動ける→ご縁や条件が入る、の5段階

手放すことができないのは片づけ下手だからではない〜お金への欠乏感が「持たせている」

手放すことができないとき、私たちは自分を「片づけが苦手な人間だ」と責めがちです。ですが、手が止まる瞬間に心の中の声を聞いてみてください。「また必要になったとき、買うお金がもったいない」「これを買ったときのお金が無駄になる」「再度、必要になったとき、もしかしたらもう買い直すことができないかもしれない」。どれも収納や片づけのお話ではなく、お金の話をしていることに気づかれたでしょうか?

モノが捨てられない原因の多くは、収納力ではなく欠乏感のほうにあります。「もう二度と手に入れることができないかもしれない」という不安が心の底にあるから、手放すことができない。抱えているモノの量は、部屋の広さとは関係なく、お金に対する不安の大きさに比例していることが少なくないのです。

これは私自身が通ってきた道でもあります。昔の私は「稼げるようになりたい、だから稼ぎ方を身につけよう」という思考に取り憑かれて、結局、株とFXで1000万円超を溶かしました。数字を握りしめていた頃の私は、モノも情報も手放すことができませんでした。

手放すのが怖いのは、モノに自分の価値を預けているから

手が止まる原因は、「もったいない」だけではありません。捨てるという行為は、それを選んだ過去の自分に「あれは必要なかった」と宣告することでもあります。だから怖いのです。減っていくのがモノではなく、自分の価値そのものに感じられてしまうからです。

株とFXでお金が溶けていったとき、私が味わっていたのもまさにこれでした。減ったのは口座の残高なのに、自分自身の価値が目減りしていく感覚がありました。その経験から言えるのは、ここで必要なのは反省でも根性でもなく、『自己受容』なのです。「無駄にしたくなかったんじゃなくて、本当は間違いたくなかっただけだよね」。そんな風に自分の気持ちを受け止めてあげること。これが、次の一歩へとつながっていくのです。

捨てる前に、「ここまでありがとう」と声をかけてみる

もうひとつ、引っ越しのときに私が自然とやっていたことがあります。捨てると決めたモノに、「ここまでありがとう」と一言かけてから袋に入れたことでした。おまじないのつもりは一切ありません。ただ、そう声をかけるだけで、「切り捨てる」感覚から「区切りをつける」に変わったのです。罪悪感を感じたままモノを捨てると、必要に迫られたわけでもないのに、手放したのと同じようなモノをまた買ってしまうことにつながりやすくなります。少なくとも私の場合は、そういうことが何度もありました。でも、お礼を言って終わらせたモノは、不思議と思い返すことがなくなったのです。自分の過去の選択を否定せずに終えることができるかどうか。ここにも『自己受容』が効いてくるのです。

お金モテ®ではお金には『冷たいお金』と『温かいお金』の2つがあると考えます。冷たいお金は「信用」から生まれる、数字で管理できるお金です。家賃や貯金、資産額のことで、生活を守る『土台』になります。一方の温かいお金は「信頼」から生まれる、目に見えず数値化されないお金であり、『信頼残高』のほうです。どちらも大切な、お金の裏表だと言えます。

この視点で眺めると、モノを手放すことができない状態というのは、『冷たいお金』が減ることばかりに目が向いている状態だと言えるのです。

2つのお金(温/冷)

あなたが数えているのは、冷たいお金?それとも温かいお金?

▶ お金モテ冒険者タイプ診断へ(無料・1分)

何から手放す? モノ→お金の習慣→人づきあいの順番

それでは、何から手放せばよいのでしょうか?それには順番があります。

1. まずはモノから

モノは、ご自身だけの持ち物であれば、捨てても誰かを傷つけることがありませんので、練習台として最適です。まずは3日間、「1年使っていないモノ」だけを基準に、1日1つずつ手放してみましょう。残すかどうかのものさしはたったの1つ。この1年間、実際に使ったのかどうかだけ。迷ったら捨てる。なくて困ったら、そのとき買い直せば済むのですから。この「また手に入る」という感覚を体で覚えることが、とても大切なのです。

2. 次にお金の習慣

お金の使い方には4つの窓があります。A=自己投資(未来のあり方を育てる支出)、B=自己満足(自分の体温が上がる心地よい消費)、C=”事故投資“(自己投資のつもりが結果につながらなかった支出)、D=必要経費(生活のために消極的に支払う支出)。

ここで見直すのはDです。動かせない出費だと思い込みがちですが、開けてみると、解約し忘れたサブスクや惰性の固定費が眠っていることが少なくありません。値上げ予告が届かなければ、私もあの部屋にこの先も住み続けていたはずです。そのDの中の無駄を手放して、浮いたお金をBへと流すこと。見るところは「この使い方で自分の体温は上がるのか?」だけ。使う金額そのものは問わなくても大丈夫です。

4つの窓

3. 続いて人づきあい

ここは慎重に。縁を切るというお話ではなく、会う頻度を下げる、距離の取り方を調整する、などで十分です。もしも、会ったあとに体温が下がっている集まりがあるのなら、そこに使っている時間とお金が、あなたの『信頼残高』になっているかどうかを振り返ってみてください。

以前、メルマガの読者の方が、こんな体験をシェアしてくださいました。長く続いた関係を手放したあと、それまで出会わなかったタイプの人との出会いが次々に増えていったそうです。しかも、一見まったく脈絡のない相手だと思っていたら共通の知人がいたり、勧められるまま参加した勉強会で15年ほど前の職場の上司に再会したりということが続いた、と。手放したのはモノではなく『関係性』のほうですが、空いたらご縁がやってきたという順番は、私の引っ越しとまったく同じでした。

断るときは、理由を長く説明しないほうが、私の経験ではうまくいきます。「今回は見送りますね」だけで十分です。そこで罪悪感が出てきたら、それは相手への申し訳なさではなく、「嫌われたら終わりだ」という、ご自身の欠乏感のほうかもしれません。

4. そして、時間

4つ目に手放したいのが時間です。モノと違って、時間だけは買い直すことができません。放置したままの通知や、「返信しなきゃ」と抱えたままの作業など。今日、通知を1つオフにするだけでも、1日に何十回と起きていたかもしれない意識や作業の中断が、かなり減ることでしょう。その空いた15分を、ぜひ、ご自身の体温の上がる時間に充ててみてください。私の経験上、予定を詰め込んだ1日よりも余白のある1日のほうにこそ、チャンスやご縁はやってきやすいのですから。

5. 部屋と同じくらい詰まっている、手のひらの中

そして最後に。忘れられがちなのが、デジタルの断捨離です。カメラロールを開くと、同じ構図の連写が5枚、読み終えた画面のスクリーンショットが何十枚と残ってはいませんか?まずは直近1か月の写真だけでいいですので、それを見返して、連写とスクショを消してみましょう。

次に、スマホのホーム画面から1年開いていないアプリを削除します。仕上げに、パソコンのダウンロードフォルダとデスクトップを空にします。ここはモノと違って、捨てても場所も費用もかかりません。もし、そのとき手が止まり、「いつか見るかも」という声が脳内で聞こえた場合は、クローゼットの紙袋のときの声とまったく同じものだと言えるでしょう。

今日からできる3ステップ|「捨てると入ってくる」を実際に回す

今日(3分):1年間使っていないモノを1つ選んで、玄関の外まで出します。ゴミの日を待たないのがコツです。部屋の中に置いたままにすると、いつの間にか、元の場所へと戻ってしまいますので。

今夜(5分):断捨離しようとして手が止まったモノを思い出し、そのときの心の声を紙に1行だけ書きます。「また買うお金がもったいない」でも「高かったのに」でもかまいません。書けたら、その下に「不安なんだね」「判断を間違ったと思いたくないんだね」と書き足してください。これが『自己受容』です。

今週(15分):スマホのサブスク一覧を開いて、使っていないものを1つ解約します(D=必要経費の見直し)。そのうえで、浮いたぶんで体温の上がるものを1つ買ってみましょう(B=自己満足)。数百円でかまいません。少額でも回数を重ねることで効いてきますので。

お金モテ®では『満たす→調える→与える→受け取る』の順序を意識することで、お金が自然と循環するようになる、とお伝えしています。最後の受け取りが苦手な人はお金の流れが詰まりやすい傾向にありますが、先に手放してしまえば、受け取る余白のほうはすでにできています。あとは、その余白へ自ら動いて受け取ればOKです。

捨てるとは、自分を信じ直すこと

1つ手放すたびに、あなたはご自身に対する信頼を1つ取り戻すことになります。独立して10年以上、お金モテ®というお金の哲学をお伝えしてきて確信しているのは、先に手放すと決めて、自ら動いた人のところへと、ご縁もチャンスもお金も入ってくるということ。

お金は、自分のあり方を映す鏡です。手放すことができずに積み上がった紙袋の山には、今のご自身のあり方が映っています。まずは今日、1年使っていないモノを1つだけ手放して、そのとき心にどんな変化が起きるのかを眺めてみてください。決めるのが先、動くのがその次です。そうすることで、お部屋の状態やお金との関係性は、自然と改善されていくことでしょう。

ABOUT ME
アバター画像
ともたけ@お金モテ®の人
お金モテ®︎の人|お金にモテるって、面白い。|東大→JR九州→MBA→(株)with my style代表|株とFXで1000万円溶かす→お金との向き合い方を変えて再起→メルマガ売上8桁→被災地へ仲間と211万円寄付|法人10期目|オンラインサロン10年運営|競馬・ホテルステイ・読書・クレカ・マイル・BTC好き|オーストラリア馬主
【無料1分】お金モテ冒険者タイプ診断

\ 最後まで読んでくれたあなたへ /

あなたは、どのタイプ?

どうすればもっとお金と上手くつきあえるのか?
「次の一歩」が1分で分かります。
タイプ別『レベルアップの書』を無料プレゼント中。

▶ 無料で診断を受ける