稼いでも不安が消えないのはなぜ?正体は「お金」ではなかった

ある程度の貯金はある。収入だって、昔よりは増えた。それなのに、ふとした瞬間に、「このままで、お金は大丈夫なんだろうか??」という不安が頭をよぎる。
しかも、いくら考えても、その不安は消えてくれない。むしろ、考えれば考えるほど大きくなっていく。お金の不安は、どうしてこんなにも消えないものなのでしょうか?
この記事では、私が10年以上『お金モテ®』という考え方を伝え、たくさんの方のお金の悩みと向き合ってきた経験から、「お金の不安が消えない本当の理由」を解説していきます。
結論を先にお伝えすると、お金の不安は、お金を増やしてもまず消えません。理由は、不安の正体が、お金そのものにはないことがとても多いからです。そして、その不安は、あなたの心が弱いから生まれるのでもありませんので、どうか、安心して読み進めてください。
「お金を増やせば不安は消える」という大いなる勘違い
お金の不安に対して、多くの人がまず考えるのは「お金が足りないから不安なんだ。だったら、もっと稼いで、もっと貯めれば不安は消えるはず」ということでしょう。以前の私もそう信じ込んでいた一人です。
ところが現実は、そう単純ではありません。収入が増えても、貯金が増えても、不安が消えないという人が、本当にたくさんいるのです。「稼げば稼ぐほど、なぜか不安が強くなった」という声すら、決して珍しくありません。
では、なぜ「お金を増やす」ことでは解決しないのでしょうか?それは、お金の不安の正体が、実はお金ではなく、別のところにあるからです。原因がお金でないなら、お金をいくら増やしても不安が消えないのは当然のこと。
では、その「別のところ」とは、いったいどこなのでしょうか?順番に見ていきましょう。
不安の正体は、お金ではなく「人間関係」と自分の「あり方」にある
これまでたくさんの方のお金のご相談に乗ってきて、ハッキリと言えることがあります。それは、お金の不安の大半は、その奥をたどると、人間関係にたどり着くということ。
たとえば、こんな方がいました。「将来、お金が足りなくなったらどうしよう…」と不安を訴える男性です。お話を伺いながら丁寧に紐解いていくと、その方の本音は「本当は独立して、自分の仲間と一緒に好きな活動をしたい」というものでした。ところが幼い頃の経験から、「自分が好きなように振る舞うと、大切な人が離れていく」という思い込みが、無意識の設定に入っていることがわかったのです。
つまり、本当はやりたいことがあるのに、それをやってしまうと人が離れてしまいそうで怖くて一歩を踏み出せない、と感じてらっしゃったのです。この満たされない違和感を、ご本人は「お金の不安」だと思い込んでいました。私はこれを『欲求と課題のすり替え』と呼んでいます。これが、お金の悩みで本当によくあるパターンなのです。
誤解のないように補足すると、お金の心配そのものが悪いわけではありません。ですが、「お金が問題だ」と思っているときに、実は本当の問題はお金ではなく、自分の本音や人間関係の側にあるケースが驚くほど多いのです。だから、このケースで、いくら収入を増やしたり資産運用でお金を増やしたとしても、一向に不安は消えてくれません。なぜなら、取り組むべきなのは、お金そのものではなく、自分のあり方のほうだからです。

そもそも、日本人は不安が消えにくい性質を持っている
ここで、ぜひ知っておいて欲しい事実があります。不安が消えないのは、あなたの心が弱いからでも、考え方が後ろ向きだからでもありません。日本人は、生まれつき不安を感じやすい、そういう遺伝的な特性を持つ人が多いのです。
私たちの幸福感には、『セロトニン』という脳内物質が関わっています。別名「幸福ホルモン」と呼ばれ、このセロトニンの量を左右する遺伝子は、楽観的になりやすいL型と、悲観的になりやすいS型に分かれています。S型は俗に”不安遺伝子”と呼ばれるものですね。
ここからが大事なところです。実は日本人のうち、特に悲観的になりやすいとされるSS型を持つ人は、なんと約65%もいるのです。3人に2人が、生まれながらにして不安を感じやすい遺伝子を持っている一方で、楽観的なLL型はわずか3%ほどとされます。
つまり、もし、あなたがお金に不安を感じやすいとしても、それはごく自然なことなのです。意志が弱いからでも、ネガティブだからでもありません。この事実を知っているだけでも、「どうして自分はいつも不安ばかり感じるんなんだろう」と自分を責めて、余計なエネルギーを漏らすことが減っていくことでしょう。
不安は、消し去るべき敵ではありません。もともと備わっている、自分を守るためのセンサーなのです。そう受け止めてあげるだけでも、随分と違うのでオススメです。
不安を強くする「お金の価値観」に気づく
遺伝的な傾向に加えて、もうひとつ、お金の不安を大きくしているものがあります。それが、知らないうちに身につけた「お金の価値観」です。
長時間労働で心身を壊した経験を持つ方が、こんな価値観を教えてくれました。お金の不安が強い人は、次のどれか(あるいは複数)を抱えていることが多いのだそうです。
- お金は、我慢の対価として貰えるもの
- お金を稼ぐのは、大変で辛いこと
- お金は、できるだけ貯金しなければならないもの
こうした価値観を持っていると、心の奥底でいつも「お金=苦労して耐えながら、減らさないように守るべきもの」という価値観が働き続けます。すると、どれだけ稼いだとしても「使ったら減ってしまう。そうしたら、また我慢しなきゃ…」といつまでも気が休まらなくなってしまいます。お金との関係が、いわば終わりのない”防御戦”になってしまう。これでは、いくらお金があっても安心できるはずがありません。
ここで大切なのは、こうした価値観の多くが実は「自分の本音にフタをし続けてきた」自分自身のあり方から生まれてきているという点です。本当はやりたいことがあるのに、それにフタをしてずっと我慢し続け、結果として、お金を最優先にして生きてきた。その積み重ねが、自らお金を”我慢料”に仕立て上げてしまうのです。このように、一見するとお金の問題のように見えて、実はお金そのものではなく、自分自身のあり方に課題があることがとても多いのです。お金を“使う”ときに罪悪感がわいてしまう方は、その根っこも同じです。よければ『お金を使う罪悪感の正体|消えない原因と潜在意識の関係』もあわせてご覧ください。
不安や焦りで動くほど、むしろお金は減っていく
もうひとつ、見落とされがちな落とし穴があります。それは、不安を消そうとして焦って動くと、かえってお金が減っていくということ。
恥ずかしながら、これは私自身が、身をもって学んだことでもあります。会社員時代、「このまま、今の仕事をし続けるのはイヤだ」「楽してお金を儲けてとっとと会社を辞めたい」と思った時期がありました。そのとき、私は「早く辞めたい」という焦りから、私はあちこちの投資セミナーや必勝法に、たくさんのお金をつぎ込んでしまったのです。結果、株とFXで1000万円超を溶かすことに。
振り返ると、こうしたときの動きには、ハッキリとした特徴があります。
- 「不安」から動いている……興味や好奇心からではなく、焦りや恐れが起点になっている
- 「正解」を外に探している……正解(聖杯)ばかりを探し、自分の心が置き去りになっている
不安や恐れ、焦りから動くと、お金の使い方がどんどん”冷たく”なっていきます。だから、いくらお金を使っても、一向に心は満たされず、むしろ不安や焦りが増すのです。そして、その感情を埋めるかのように、また次へ、また次へとお金が溶けてなくなるだけの無限ループにハマってしまうことに。私自身、この無間地獄を、それこそ超高速回転で何度も繰り返してきました。
私のこの経験から断言できることがあります。お金を大切に想うのであれば、大事なことは、不安や焦りで動かないこと。もうこのひと言に尽きます。まずはその不安や焦りの正体に気づいて、心を落ち着かせてから動くこと。このことを意識するだけでも、お金も時間も、ムダに失わずに済むので特にオススメです。
不安は「消そう」とするよりも「上手くつきあう」
ここまで読んでみて、「じゃあ、どうすればいいの?」とお感じかもしれません。答えは、不安をゼロにしようとするのではなく、上手につきあいながら、少しずつ小さくしていくことです。そのための具体的な3つの方向性をお伝えします。
① 「温かいお金」=信頼残高を増やす
お金には、性質の違う2種類のお金があります。ひとつは『冷たいお金』。「信用」から生まれる、目に見えて数値化されたお金(貯金・収入・資産額)です。生活を守る土台であり、基盤でもあります。
もうひとつが『温かいお金』です。「信頼」から生まれる、目に見えず数値化されないお金で、俗に言う「信頼残高」に相当するお金です。人に喜ばれ、感謝された結果として、人を通じてやってくるお金。
じつは、お金の不安が最も小さくなるのは、貯金額が最も増えたときではなくて、この温かいお金としての信頼残高が増えたときなのです。「いざとなっても、自分には支えてくれる人がいる」という安心感は、数字であらわされた貯金額では決して得られないもの。冷たいお金で生活の土台を固めつつも、同時に温かいお金(人とのつながり)を育てていく。この両輪が、お金の不安に対処する最も効果的な処方箋なのです。

② 不安をあおる情報から、少し距離を置く
現代は、不安をかき立てる情報で溢れています。「老後2000万円」「このままでは危ない」。そうした情報に無防備に触れ続けると、不安遺伝子のセンサーが鳴りっぱなしになってしまいます。
そこで、不安をあおる情報からは、意識的に距離を置くことをオススメします。特にSNSはネガティブ情報や不安を煽るものが多く、詐欺被害の温床にもなっているとも言われますので、避けることをオススメします。これだけでも、心の消耗がぐっと減りますので、ぜひ試してみてください。必要なとき、知識や情報は自ら取りに行くけれど、不安や焦りは受け取らない。この線引きをすることがコツになります。
③ 身体を調えて、安心の土台をつくる
3つめは、意外に思われるかもしれませんが、身体を調えることです。というのも、不安は心だけの問題ではないからです。ここまで読まれてみて、薄々お気づきかもしれません。不安というのは、頭で「大丈夫、大丈夫」と言い聞かせるほど、かえって大きくなるもの。思考で説得しても、不安はまず消えません。むしろ、考えれば考えるほど、センサーは鳴り続けてしまいやすいのです。
では、どこから手をつければいいのでしょうか?答えは、心ではなく、身体のほうからです。さきほどお話しした”不安遺伝子”も、生まれ持った型そのものは変えられません。ですが、そのセンサーの感度は、睡眠・日光・軽い運動といった毎日の習慣で、十分調整可能です。よく眠れてスッキリした日と、寝不足でクタクタの日では、感じる不安の大きさがまるで違うのですから。
最初は難しく考えなくても大丈夫です。「今日は少し早く寝てみよう」。それくらいの小さな一歩からはじめてみることをオススメしjます。心と身体はつながっています。身体を調えることで、心にもいい影響があるのです。
まとめ〜お金の不安は、あなたのあり方を映す鏡
最後に、要点を振り返っておきましょう。
- お金の不安はたいてい、お金を増やしても消えない
- 本当の正体は、多くの場合、人間関係と自分自身のあり方にある
- 日本人は不安遺伝子を持つ人が多い(=あなたのせいではない)
- 「お金は我慢料」という価値観が不安を強める
- 不安や焦りから動くと、お金はむしろ減りやすい
- 消そうとするより上手くつきあう〜温かいお金・情報との距離・体を調える
お金の不安が消えないのは、あなたがダメだからではありません。それはむしろ、あなたが真剣に、将来のことを考えてきた証拠でもあります。その真剣さはそのままに、矛先を「もっとお金を稼ぐ」から「自分のあり方を調える」へと向け直してみてください。
私がいつもお伝えしているのは、お金は、自分の『あり方』を映す鏡だということ。お金に不安を感じるときは、「もっと自分の本音を大切にしてあげたら?」というメッセージなのかもしれません。
漠然としたものほど、不安は大きく感じられるもの。逆に言えば、その正体の名前を知れば「なんだ、自分はこんなお金のクセがあっただけだったのか!?」と気づくことでしょう。それだけでも不安は小さくなってくれます。不安は、無理に消そうとしなくて大丈夫。あなたのあり方が少しずつ調っていけば、自然と小さくなっていくのですから。
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