金銭感覚は2つのお金の温度で決まる|あり方を調え解像度を上げる

私たちがふだん「お金」と呼んでいるものは、実は1種類ではありません。数字で管理できる『冷たいお金』と、目には見えない『温かいお金』の、性格のまるで違う2つのお金が、いつも同時に存在しています。
同じ「お金」でも、この2つを分けて眺められるようになると、これまで漠然としていたお金の不安の正体がくっきり見えてきて、お金とのつきあい方が楽になっていきます。そうして少しずつ育っていくのが、数字に振り回されない自分なりの『金銭感覚』です。
この記事では、私が10年以上お伝えしてきた「お金モテ®」の考え方をもとに、『冷たいお金』と『温かいお金』の違い、そして冷たいお金を温かいお金へと調えていく流れを、できるだけやさしくお話ししていきます。
「お金を2種類に分ける」と聞くと、よく耳にする「生き金」と「死に金」——つまり“生きたお金の使い方・死んだお金の使い方”を思い浮かべる方も多いかもしれません。あれはお金の使い方に光を当てた分け方で、とても大切な視点です。
ただ、お金モテ®でお伝えする『冷たいお金』と『温かいお金』は、その一段奥にある『あり方』からの分け方です。同じ一万円でも、使い方を考える前に、そのお金がどんな温度を帯びているのか。そこから眺め直すことで、お金の不安の正体が、もっとハッキリと見えてくるのです。(「生き金・死に金」の見分け方そのものは、こちらの記事でやさしくお話ししています。)
なぜ、お金を「2種類」に分けて考えるのか
「お金はお金でしょ?」——私たちはつい、そう一括りにしてしまいがちです。ところが、この「ざっくりとした捉え方」こそが、お金の不安がいつまでも消えない大きな理由のひとつだったりするのです。
以前、あるzoom相談で「お金を2つに分けて考えたほうがいいのは、なぜですか?」とご質問をいただいたことがあります。そのとき私は、お金の悩みが解消に向かうかどうかは、お金を見る「解像度」で決まる、とお答えしました。
解像度というのは、物事を見るときのきめ細やかさのこと。昔の白黒テレビより、いまの高精細なテレビのほうが、同じ映像でもくっきりと見えますよね。それと同じで、お金を漠然と眺めているうちは、悩みの輪郭もぼやけたままで、手の打ちようがないのです。
たとえば、よく学んでらっしゃる方がおっしゃる「お金は循環させるもの」という考え方があります。とても素敵な意識だと思いますし、私もこの考え方は好きなのですが、その言葉だけを頼りに、ただただお金を使い続けた結果、貯金が底をつき、暮らしが立ちゆかなくなってしまった方を少なからずみてきました。ビジネス講座や起業塾を渡り歩いて学び続けたのに、手元に残ったのは借金だけだった…、という悲しいお話を耳にすることも。
そこで「いま自分が抱えているお金の悩みは、『冷たいお金』のほうの話なのか、それとも『温かいお金』のほうの話なのか?」と分けて考えられるようになると、はじめて解決の糸口が見えてくるのです。まずは、それぞれの正体から見ていきましょう。
『冷たいお金』の正体──暮らしを支える「数字のお金」
冷たいお金は、通帳の残高のように、金額としてハッキリ数えられるお金です。その根底にあるのは、社会的な「信用」です。お給料の額や預貯金の額、資産運用している資産の金額。そうした「金額で表現できるもの」は、すべて冷たいお金の側だとお考えください。世間で「お金」と言うとき、たいていこちら側を指しています。
冷たいお金は、資本主義経済が主流の現代社会で暮らしていくうえで欠かせない、生活を守るための土台になります。この土台がしっかりしているからこそ、人は落ち着いて次の一歩を踏み出せます。ですから冷たいお金は、決して「悪いお金」ではありませんので、ここは取り違えないようお気をつけください。
ただ、冷たいお金には少しだけやっかいな性質があるのです。それが、数字で測ることのできる冷たいお金は、どうしても「限りあるもの」として意識されやすく、自分の取り分を増やそうとすればするほど、どこかで誰かの取り分を減らすしかないと感じやすく、結果として、競争や奪い合い、騙し合いを生みやすい側面を持っています。
さらに、冷たいお金は、金利(利息など)というしくみを通じて、お金がお金を生み出す性質を持っているため、とにかく量を追いかける人を生みやすいという危うい性質も内包します。
そのため、冷たいお金にばかり気を取られていると、無意識に人よりもお金のほうを信じるようになっていきます。すると気づかないうちに人間関係のトラブルが舞い込み、人が離れ、かえってお金の不安や苦労が膨らんでしまうことがよく起こるのです。これは、冷たいお金そのものが問題なのではなく、「冷たいお金ばかりに偏ってしまうこと」が原因なのです。
『温かいお金』の正体──目に見えない「信頼残高」
一方の温かいお金は、金額では測ることができません。その源にあるのは「信頼」、いわゆる「信頼残高」です。感謝や喜び、「この人に喜んでほしいな」という気持ちを伴った、非言語のお金だと言ってもいいでしょう。
数字に表れないぶん、温かいお金は見過ごされがちです。ですが、この残高が豊かな人ほど、まわりから慕われ、人が集まり、日々「ありがとう」という嬉しい言葉を受け取りながら、好きなことで生計を立てているケースがとても多いのです。
ここで、面白いのは、冷たいお金は「使い方」しだいで温かいお金へと姿を変える、ということ。自分のエネルギーが上がることや、誰かに喜んでもらうために、人からの信頼が積み重なっていくようなお金の使い方をすることで、ただの紙切れに数字が書かれただけの一万円札が、温かいお金へと変わっていくのです。
しかも温かいお金は、人とのつながりのなかでどこまでも増えていける、無限の性質を持っています。つまり、どれだけ集めても誰かの取り分が減るということが一切ないのです。喜ばれ、感謝され、愛されるほどに、温かいお金が増えていって人とつながっていくことができる。そうして人が自然と集まる状態にたどり着くと、「お金が足りなくなったらどうしよう…」という不安そのものが、自然と解消していくのです。
2つは「お金の裏表」──どちらが正しいというわけではない
光と闇、表と裏、陰と陽。世の中の多くのものに2つの側面があるように、お金にもまた、冷たいお金と温かいお金という2つの顔があります。
ここでひとつ、大切なポイントを。それは、「温かいお金が正しくて、冷たいお金は間違っている」わけではない、ということ。コレが正しいからアレはダメ、といった分離する意識は、むしろお金モテから遠ざかってしまう考え方です。
暮らしを守る土台(冷たいお金)があるからこそ、人は安心して、信頼を育てる挑戦(温かいお金)に向かえます。逆に、信頼という人とのつながり(温かいお金)があるからこそ、めぐりめぐって数字のお金(冷たいお金)にも恵まれていく。この2つは、切り離せないお金の裏表であり両輪なのです。
お金づきあいが上手な人というのは、このお金の2つの顔を知ってか知らずか、絶妙なバランスを保っている人なのです。

『冷たいお金』を『温かいお金』に変えるコツ──お金の温度
ただ、現代の資本主義社会を生きる私たちは、どうしても、数字や効率としての冷たいお金に目を奪われ、偏りがちです。ですが、そのままでは、人間関係のトラブルを呼び込み、お金だけはあっても幸福感を感じられない人生になってしまいます。
そこで必要になってくるのが、温かいお金を意識して、その割合を少しずつ増やしていくことなのです。では、どうすれば冷たいお金を温かいお金へと調えていけるのでしょうか?カギを握るのが、「お金の温度」という感覚なのです。
やり方は、とてもシンプル。お金を使うとき、心のなかでこう問いかけてみるだけ。
「いま、私が払おうとしているこのお金は、私の「体温」を上げてくれるだろうか?」
なんとなく心がギュッとなる、本当は払いたくないのに義務感でしぶしぶ支払う。そうした使い方なら、それは冷たいお金のままになってしまいます。一方で、思わず心が温かくなる、誰かの笑顔が思い浮かぶ、自分が満たされていく感覚になれる。そう感じられるのなら、そこには温かいお金の芽があると言えるでしょう。「このお金の使い方は冷たい側かな、それとも温かい側かな?」と感じながら使ってみてください。この「お金の温度」を自分で選べるようになることが、金銭感覚が『調う』ということでもあります。
いきなり大金を動かす必要は、まったくありません。ほんの少額でいいので、「体温が上がる使い方」を何度も重ねていくこと。その積み重ねが効果的ですので。そうしてお金の温度が上がる感覚がつかめてくると、不思議なことに、お金を使うほど自然とやってくるようになっていくのです。
お金モテ®流のお金の循環には順序があります。それが「満たす → 調える → 与える → 受け取る」。まずは自分で自分を満たし、心と暮らしを調え、満ちたぶんを惜しみなく周りの人たちへと注ぎ与える。その与えたぶんが、喜びや感謝とともにお金となって返ってきたら、遠慮なく受け取る。これがお金の循環です。そして、受け取ったら、また自分を満たすことに使っていく。この流れがぐるぐると回りはじめたとき、人は「お金にモテる」お金モテな状態へと入っていけるのです。

あなたの金銭感覚をチェック〜”おかしい”と決めつける前に
「自分の金銭感覚はおかしいのかな?」「パートナーと金銭感覚が合わない…」——そう感じたとき、大切なのは、良い悪いをジャッジすることではありません。まずは、自分がどちらのお金側に傾きやすいのかを知ることです。次のうち、当てはまるものはいくつあるでしょうか?
- 残高や数字が減ると、理由もなく不安になる
- 「安くできたか」「損をしなかったか」で使い方を決めがち
- 人のために使うより、自分のために貯めておきたい
- お金の話は、どこか”はしたない”と感じてしまう
- 逆に、その場の気分でパッと使って、あとで後悔することが多い
当てはまるものが多いほど、『冷たいお金』(数字・信用)の側へ、少なければ少ないほど温かい側へ意識が寄っていると言えます。ですが、それは決して”おかしい”ことでも、直すべき欠点でもありません。金銭感覚は、育った家庭やこれまでの経験でつくられた、あなたのクセにすぎません。だからこそ、金銭感覚が合わない相手がいても、どちらかが間違っているわけではなく、冷たいお金と温かいお金のバランスが異なるだけに過ぎません。まずはその由来を知り、責めずに受け止めるところからはじめることが大切です。そこから、
自分の金銭感覚タイプをもっと詳しく知りたい場合には、お金モテ8タイプ診断(約1分)で、あなたの『お金とのつきあい方の型』を確かめてみてください。
おわりに──「どちらのお金」を増やすのかにあり方が出る
お金を冷たいお金と温かいお金に分けて眺めるというのは、突きつめれば、お金を通じて、自分自身のあり方を見つめ直すことでもあります。金銭感覚は、テクニックとして鍛えるものというより、あり方から『調える』もの。だからこそ、2つのお金という眺め方が効いてきます。数字としてのお金を追いかけ続け、量と効率性を追求しながら、終わりのない競争に身を捧げるのか。それとも、人間関係を大切にして、信頼関係を育てながら、心地よい人間関係のなかでお金を少しずつ循環させていくのか。そのバランスの取り方には、その人の人としての『あり方』が、そのまま表れます。
私自身、かつては株やFXでお金そのものを追いかけて、1000万円を超える額を短期間で失った時期がありました。そこから独立して10年あまり。おかげさまで、こうして好きなことを仕事にし続けてこられたのも、多くの試行錯誤を通じて、失敗や反省を繰り返しながらも、そのつど自分自身と向き合い、あり方を調え、温かいお金としての人との信頼を、少しずつ育ててきたからだと実感しています。
お金というのは、集めたり増やしたりする対象である以前に、いまのあなたのあり方をありのままに映し出してくれる鏡のような存在でもあります。ぜひ、今日から、お金には2つの側面があるんだ、という視点で眺め直しながら、お金とつきあってみてください。きっと、あなたがもっとお金と上手につきあえるようになるためのヒントが見つかりますので。
あなたのお金とのつきあい方は、『温かいお金』寄り?『冷たいお金』寄り?
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