お恥ずかしい話ですが、私自身、かつて株とFXで1,000万円を超えるお金を失ってしまった経験があります。今から15年以上前の話です。当時の自分は「早く会社を辞めたい」という焦りに追いかけられて、次から次へと”儲かりそうな話”に手を出しては、大切なお金を溶かし続けていました。詐欺被害こそなかったものの、実は投資詐欺に遭う方と、根底の部分ではまったく同じ『お金との関係性』にいたことが、今ならハッキリ分かるのです。

結論を先にお伝えすると、投資詐欺に引っかかる方には、手口を知らないという以前に、『お金との関係性』が共通しています。裏を返せば、そこを調えるだけで、被害に遭う確率は大きく下がっていくのです。騙されてしまうのは、あなたの心が弱いせいでも、判断力が足りないせいでもありません。肩の力を抜いて、最後までお付き合いいただけたらうれしいです。

この記事では、独立して10年以上『お金モテ®』というお金の哲学をお伝えしてきた視点から、投資詐欺に引っかかる方の特徴を、手口ではなく『お金との関係性』の側から読み解いていきます。読み終わる頃には、詐欺師のセールストークがあなたの胸に響かなくなるとともに、自分なりの立ち位置が、ハッキリしてくるはずです。

100万円を失った方の共通点〜「自分は大丈夫」の「中身」を分解する

先日、自分が運営しているオンラインサロンメンバーでzoomをしていた際、お一人がこう打ち明けてくださいました。「実は詐欺で100万円を失いました・・・」と。巧妙な電話詐欺だったそうです。振り込んだ直後に「これは詐欺だった」と気づいて警察に届けたものの、その口座のお金は、すでに引き出されて跡形もなかったといいます。

私はこれまで10年以上、メルマガ読者の方限定でお金にまつわるご相談をお受けしてきたのですが、詐欺被害に関するご相談は一度や二度ではありません。相談者のみなさんの被害総額は、累計で実に6億円を超えます。手口の内訳は電話詐欺・投資詐欺・国際ロマンス詐欺と幅広く、なかでももっとも多いのが海外投資関連のご相談です。多い方は億単位、少ない方でも100万円単位で”失って”いっているのです。

そんな相談者のみなさんに、実はひとつだけ、驚くほど共通していることがあります。それが、被害に遭う直前まで「自分は大丈夫」「自分には関係ない」と考えていらっしゃったことだったのです。

ここで、大事なポイントをひとつ。「自分は大丈夫」には、中身の違う2パターンがあるのです。ひとつは、手口・リスクをまったく学ばず「詐欺は自分とは関係ない話」と思考停止してしまっている”油断”タイプ。もうひとつは、手口をよく知っていて、精神的に満たされていて、「すぐに」「稼ぎたい」「儲けたい」の焦りがない『落ち着き』タイプ。前者は詐欺師の格好の獲物、後者は詐欺師にとって最も近寄りがたい相手だと言えるでしょう。

私がこれまでご相談を受けた範囲では、被害に遭ってしまった方は、ほぼ例外なく前者の”油断”側にいらっしゃいました。その油断を責めたいわけではありません。「自分は大丈夫」と思い込んでしまう感覚こそが、詐欺師にとってもっとも狙いやすい”心のすき間”だからです。この記事の後半では、この二種類の「大丈夫」がどこで分かれているのかを解説していきます。

欠乏感が財布のヒモをゆるめる〜騙される方に共通する『お金との関係性』

では、なぜ「自分は大丈夫」の油断側にいる方ほど、詐欺に引っかかってしまうのでしょうか?その鍵は、その方が普段、お金とどんな関係でいるのかにヒントが隠れていると言えます。

実は、詐欺に引っかかる方に共通しているのは、”欠乏感”を土台にしたお金との関係性になっていることがほとんどなのです。「お金が足りない」「もっと稼がないと」「将来が不安で」「同世代がどんどん資産を増やしていて」「自分だけ置いていかれている」──こうした欠乏の感覚を、銀行口座残高という数字で埋めようとしている方が少なくないのです。

そのあり方は、まさに『冷たいお金』しか目に入っていない状態だと言えるでしょう。冷たいお金というのは「信用」から生まれるお金で、家賃・貯金・資産額のように、銀行口座残高や証券口座に「数字」として表示できるお金のこと。生活を守る大切な『土台』ではあるのですが、この数字だけを見つめて「もっと、もっと」と追い続けていると、心の底の不安がまったく解消されないまま、心安まらない日々を過ごすことになります。

そうして、欠乏感が強くなるほど、実は、お財布のヒモが緩くなっていくのです。「早くこの欠乏を埋めたい」という焦りから、”埋めてくれそうに見えるもの”へと、大金を一気に投じてしまいやすいのです。そして、詐欺師は、まさにそこを狙っているのです。

詐欺師が狙うのは金額じゃない、あなたの『もっと欲しい』という欲望

意外に思われるかもしれませんが、詐欺師が最初に狙っているのは、あなたの銀行口座残高ではありません。狙われているのは、あなたの「もっと欲しい」という欲望のほうなのです。

なぜなら、欲望さえ高められれば、金額はあとから自然と膨らんでいくからです。「月利10%の裏ワザがある」「AIが24時間自動で資産を増やしてくれる」「今なら特別にあなただけご紹介できる特別な案件がある」。こうした文言に胸が高鳴った瞬間、人は冷静な判断ができなくなります。冷静に見れば「そんなうまい話は世の中に転がっていない」と分かるはずなのに、欠乏感ベースの焦りと欲望に飲まれてしまうと、そのシンプルな事実さえもすっかり忘れてしまうのです。

だからこそ、詐欺師は入念に、「もっと欲しい」という欲望を抱えている獲物を探します。SNSで「副業したい」「投資でFIREしたい」「今の給料じゃきつい」と発信している方。マッチングアプリで寂しさをにじませている方。何かに強く執着している方ほど、詐欺師がつけいりやすいのです。裏を返せば、あなたの「欲しい」が落ち着いているあいだは、詐欺師のセールストークが、そもそも胸に響いてこなくなります。

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SNS投資・AI自動売買・国際ロマンス〜最近の手口と常套句を分解する

とはいえ、手口をまったく知らないままでは無防備すぎますので、最近よく耳にする典型パターンだけは頭に入れておくと安心です。

  • SNS投資グループ型:Instagram・X・LINEなどで「元本保証」「月利◯%」と謳い、無料コミュニティへ誘導するタイプ。最初は少額で”利益”を体験させて信用させ、大きな金額を入金させたあとに音信不通になるケースが多いようです。
  • AI自動売買ツール型:「AIが24時間相場を読み、勝率99%で利益を出す」と喧伝するタイプ。実態は、単なるポンジ・スキーム、もしくはそもそも稼働していないツールを高額で販売しているだけ、というケースが多いようです。
  • 国際ロマンス詐欺型:マッチングアプリやSNSで海外の美男美女を装って接近するタイプ。数か月かけて信頼関係を築いたあと、「一緒に将来のために稼ごう」と偽の投資サイトへ誘導することが多いようです。
  • 著名人なりすまし広告型:有名投資家や芸能人の写真を使った偽広告からLINEグループへ誘導し、”先生”の指示だと称してハイレバレッジの取引をあおってくるタイプ。

これらに共通する常套句は、3つに集約されます。「元本保証」「今だけ・あなただけ」「みんなやっている」。この3語が同じ話のなかに揃ったときは、赤信号だと判断しましょう。理由は、この3つの言葉がそれぞれ、金融の常識・人間心理・群集心理の3方向から、あなたの冷静な判断を止めにきているからです。

「元本保証」は、そもそもリスクなしに高いリターンを取れる商品など金融の世界に存在しない、という大原則を無視した嘘です。「今だけ・あなただけ」は、考える時間と比較する余地を奪って欲望を一気に引き上げる、判断停止のスイッチだと言えます。「みんなやっている」は、自分の目で確かめる代わりに”周りに合わせておけば安心”という群集心理へ判断を丸投げさせる誘いです。この3つが揃っている時点で、判断の主導権を詐欺師に奪われているとみて、まず間違いありません。

登録確認・冷却期間・第三者チェック〜今日からできる守りの型

欲望に飲まれて熱くなっている自分を”意志の力だけ”で冷ますのは、とても難しいものです。だからこそ、熱くなってしまう前に、日常のなかに『守りの型』を組み込んでおくと効果的です。

今日から取り入れられる『守りの型』は、大きく3つあります。

  • 登録確認:投資・金融の話が来たら、まず金融庁の「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」を確認していきましょう。ここに名前が載っていない事業者からの投資勧誘は、無登録の違法な勧誘の疑いが濃いと受け止めておくほうが安全です。あわせて、警察庁・消費者庁・国民生活センターも、最新の手口を随時公開しています。社名や商品名で検索するだけでも、”前科”がかなりの確率で見つかりますのでオススメです。
  • 冷却期間:「今日中にお返事ください」と急かされた場合には、その時点でいったん断りましょう。判断は最低でも一晩、できれば1週間は寝かせる。急がせる案件に、良い案件はありませんので。
  • 第三者チェック:家族・パートナー・お金に詳しい第三者に、必ず声に出して相談してみましょう。「AIが月利10%を約束してくれてね…」と自分の口で語った瞬間に、自分の耳で聞いて「あれ??」と気づけることも多いもの。特に、暑くなりがちな方は、ひとりで抱え込まずに相談すること。これが一番の守りになってくれますので。

この3つを、金額の大小にかかわらず必ず通すこと。それだけでも、被害に遭う確率は大きく下げられます。

『お金の目』を磨く〜本物とニセモノを見立てる内省の習慣

とはいえ、守りの型は、あくまで外側の防波堤にすぎません。本当に強い防御壁は、あなたの内側にこそあります。それが、自分が『お金の目』と呼んでいるものです。

『お金の目』とは、本物とニセモノを見立てる力のこと。数字や利回りに惑わされず、「この話は、いったい誰を幸せにするお金なのか?」と冷静にお金の流れに意識を向ける俯瞰した視点です。

この目を磨くのに、特別な資格や難しい勉強は要りません。日々の支出のふり返りだけでも、驚くほど育ってくれるものだからです。ここで役に立つのが、お金モテ®でお伝えしている『お金の4つの窓』というモノサシです。横軸を消費⇔投資、縦軸をエネルギー(体温)の高低として、あなたのひとつひとつの支出を、4つの窓に振り分けていきます。

お金の4つの窓:横軸=消費⇔投資、縦軸=エネルギーの高低。A自己投資・B自己満足・C事故投資・D必要経費
  • A=自己投資:これからの自分と『あり方』を、じっくり育てていくために使うお金。
  • B=自己満足:使ったあとに自分の内側が温まる、ごきげんな時間を買うためのお金。
  • C=”事故投資:良かれと思って投資のつもりで使ったのに、成果がまるで得られず、支払ったお金だけが霧のように消えていく出費
  • D=”必要経費”:日々の生活を回すために出ていくお金。

詐欺被害は、ほぼ例外なく「C=”事故投資”」の窓に該当します。だからこそ、日々の支出を振り返って「これはA・B・C・Dのどれ?」と自分に問いを立てる習慣こそが、『お金の目』を育てる何よりのトレーニングになるのです。

被害に遭ってしまったら〜相談先と、そこから再起する順番

誤解のないように補足すると、この記事を読んだからといって、不意打ちにやられてしまうことがゼロになるわけではありません。誰にでも起こりえます。ですから、万一のときの動き方を知っておくことが大切です。

被害に気づいたら、動いていただきたい順番はこちらです。

  • 振込先の金融機関へすぐに電話して、口座凍結を依頼しましょう。振込直後であればあるほど、奪われた資金を回収できる可能性が上がりますので。
  • 警察相談専用電話「#9110」に連絡し、詐欺被害として届け出ましょう。あわせて、消費生活センター「188(いやや)」も相談窓口として使えます。
  • クレジットカードや電子決済を使ってしまった場合は、カード会社・決済会社の窓口へ「不正取引」として速やかに申告しましょう。国際ロマンス詐欺・SNS投資詐欺のように民事の返還交渉が必要になる場合は、法テラス(日本司法支援センター)の無料相談や、各地の弁護士会が設けている法律相談窓口が、実務的な入口になります。

ここで、失ったお金を”次の儲け話”で取り返そうとするのだけは、絶対に避けたいところです。気持ちは痛いほどわかりますが、取り返そうとする「欲望」が、また次の詐欺師を呼び寄せてしまいがちだからです。

特に、ご自身を責めるのはできる限り控えましょう。「騙されたのは、私に判断力がなかったからだ」と自分を責めても、失ったお金は1円も戻ってきません。それどころか、責めた分だけエネルギーが下がってしまい、次に必要な判断まで鈍らせてしまいますので。ここは”高い授業料”だったと受け止めて、二度と同じ目に遭わないように学習する機会と捉えることをオススメします。

同じ儲け話を前にして、立ち止まれる側?それとも、乗ってしまう側?

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温かいお金と自己受容〜『欲しい』の熱量が心に引っかからなくなっていく道筋

さて、話を最初の問いに戻します。ではどうすれば、詐欺師のセールストークが胸に響かないようになれるのでしょうか?

結論からお伝えすると、鍵はたったひとつ。欠乏感を、次の儲け話で埋めようとしないこと。これに尽きるのです。

なぜなら、内側で感じている欠乏感を外側のお金で埋めようとし続ける限り、あなたの欲望は、決して小さくなってはくれないからです。冷たいお金の残高で欠乏感を埋めようとすればするほど、「もっと、もっと」となっていって、むしろ失うことへの恐れが強くなり、詐欺師にとって格好の”お客様”になってしまいます。

そこで鍵を握るのが、冷たいお金と対になる、もうひとつのお金。それが『温かいお金』です。温かいお金は人との「信頼」関係から生まれてくるお金で、目にも見えず、数値にもならない非言語のお金です。世間で言われる「信頼残高」が、まさにこれ。目の前の誰かに喜んでもらえた、ありがとうと言ってもらえた。そんな小さな積み重ねによって、増えるお金なのです。

冷たいお金と温かいお金は、お金の裏表であり両輪です。この温かいお金が育ってくると、日常のなかの小さな喜びや、良好な人間関係の温もりが、あなたの心を満たしてくれるようになります。すると、驚くほど「足りない」「もっと欲しい」という感覚が小さくなるのです。

温かいお金を育てる鍵は、『お金の4つの窓』のB=自己満足にあります。自分の体温が上がる小さな消費を、日々、自分に許してあげる。「こんなことにお金を使っていいのだろうか?」という遠慮を、少しずつ手放していく。それが、欠乏感を埋めてくれるのです。

その根源にあるのは、お金のテクニックではなく、『自己受容』です。「今の自分でOK」「今の自分でも、十分に価値がある」。この感覚を持てた時にはじめて、外側のお金や他人の評価で自分を”埋める”必要がなくなっていくのです。欠乏感の穴が埋まるというよりも、”埋めなければいけない穴”そのものが、少しずつ小さくなっていくのです。

ここで、冒頭にお伝えした「自分は大丈夫」の二種類のお話に戻ります。手口を知らずに油断していた「大丈夫」ではなく、そもそも欠乏感が薄く、欲望に振り回されない落ち着きとしての「大丈夫」。この状態に立てたとき、あなたの心に詐欺案件は引っかからなくなるのです。

たとえ詐欺師のトークがどれだけ巧妙でも、あなたの胸に響かなければ、詐欺師は勧誘の網かけることができません。詐欺師の多くは、こちらの欠乏感ベースの欲望を見て相手を選んできます。欠乏感のない相手には、そもそもセールスの手を伸ばす意味がありません。結果として、詐欺師に近寄っても全く意味のない人と認定されていって、詐欺被害からも自然と遠ざかっていくのです。

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ともたけ@お金モテ®の人
お金モテ®︎の人|お金にモテるって、面白い。|東大→JR九州→MBA→(株)with my style代表|株とFXで1000万円溶かす→お金との向き合い方を変えて再起→メルマガ売上8桁→被災地へ仲間と211万円寄付|法人10期目|オンラインサロン10年運営|競馬・ホテルステイ・読書・クレカ・マイル・BTC好き|オーストラリア馬主
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